菅平高原と聞いて、みなさんは何を連想しますか? ここは何といってもサッカーやラグビーなど、夏の合宿地としてあまりにも有名。そして冬はスキー。いずれも標高約1,300mの高原ならではの連想イメージで、冬期は雪も深い地域です。この清涼な気候と冬の積雪がもたらした"春のくだもの"があります。それは雪の中から掘り出した果実「菅平高原スノーアップル」。昨秋に収穫されたりんごが雪の中に埋めて保存され、このほど掘り出された雪中埋蔵りんごです。甘味が凝縮してシャキシャキッと、ジューシーなこのりんごの"収穫"に立ち合うべく、春を待つ雪の高原に行ってまいりました。
掘り出された、みずみずしい"4月のりんご"
この4月2日、今年で4年目を迎えた雪中埋蔵りんごの掘り起こし作業が行われました。場所は菅平高原スキー場のゲレンデ脇で、下界は桜の話題が出はじめているというのに、ここはまだ深い雪におおわれています。スキー場は前日の4月1日に営業を終えており、静かな冬の景色が広がっていました。そんな中でショベルカーのエンジン音が響きわたり、雪山が掘り返されていきます。集まった生産者の皆さんは、期待を込めてその光景を見つめておりました。
1m近く雪が掘られると、白い雪の中からブルーシートに包まれた大きな箱状のものが姿を現してきました。スコップを手にした生産者らが丁寧に雪をどけ、ブルーシートを少しずつ開けていくと、まずはりんごの甘い香りがフワッと辺りに広がります。生産者の期待が高まる中、コンテナのりんごが取り出されると、全員で試食タイム。貯蔵されていたのは、りんごの王様ふじと、少し小玉のピンクレディーの2品種で、合わせて約4,000個。
シャキシャキと良い音を立ててりんごをかじっていた「スノーアップルの会」の会長・小林一雄(こばやし・かずお)さん(63歳)は「甘みも歯ごたえもいいね。今年も良い状態で保存できました」と満足そうな笑顔を見せました。
冷蔵庫の性能を超える雪中埋蔵の不思議
この雪中埋蔵りんごはJA信州うえだ管内の生産者6人でつくる「スノーアップルの会」のみなさんが、菅平高原に伝わる雪室にならって取り組みをはじめたものです。当初は試験的に始めたこの雪中埋蔵でしたが、思いのほかりんごの食味が良かったことから、その後生産者と菅平高原観光協会との協力で継続して行われてきました。温度0℃前後、湿度約90%という安定した状態で保存されていることで、りんごのおいしさが保たれているとのことです。
通常りんごの貯蔵は冷蔵庫が使用されていますが、乾燥などがあり春まで鮮度を保つことがなかなか難しいのだそうです。しかし雪中埋蔵だとりんごが自ら発して鮮度を落とすエチレンガスも抑えられるため、ジューシーさが維持されるようです。蜜入りのふじの場合、冷蔵庫での貯蔵だと蜜が皮から抜けてしまうのですが、雪中貯蔵だと果実の中に留まったままになるのです。
りんごの生産を始めて30年の小林さんは言います。
「春にこんなにおいしいりんごが食べられるのだから、今年もまた良いりんごを育てたいと思います」
この菅平高原スノーアップルは、上田市の「上田城千本桜まつり」の会場で4月6日から15日まで販売される予定です。数量に限りがあるため早めの購入をおすすめします。お花見をしながら立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
なお、JAタウンでは、3月末に販売開始してからすぐに売り切れてしまったのですが、この度再入荷が決定しました。限定20箱となっておりますので、このチャンスをお見逃しなく!!
>>上田城千本桜まつりの詳細
>>JAタウンのスノーアップル購入ページ