JAみなみ信州は長野県の南部に位置し、飯田市など14市町村の行政で構成されています。中央アルプスと南アルプスに囲まれ、地域のほぼ中央を天竜川が流れ、標高差や地形の特徴を活かし梨、市田柿などの農産物の生産が盛んです。
そして南信州には、日本一の生産量を誇るお花があるんです。
それは、ダリアです!
今回はダリア農家の多田頼充さんご夫妻を訪ね、色鮮やかで個性豊かなダリアの魅力や楽しみ方をお聞きしました。
取材に協力してくださったJAみなみ信州営農部農産課塚平さん(左) と生産者の多田さんご夫妻
ダリアの栽培はいつから?そして特徴は?
ダリアの栽培は16世紀のヨーロッパから始まり、日本へは19世紀に伝わりました。現在では世界中で親しまれています。
ダリアは、花の色や形が多種多様です。
色は赤、ピンク、白、黄色、オレンジ、紫など多彩で、品種によって複色やグラデーションもあります。直径20~30cmの大輪や、花が球形に咲くポンポン型、花びらが何層にも重なるデコラティブ型もあり、形や大きさもさまざまです。
切り花として人気があり、特に豪華な大輪のダリアは結婚式やイベントでの装飾花として、よく利用されています。
ダリアを含むピンク系の色をミックスさせて飾ってみました
JAみなみ信州では、小さなブーケに適した品種から大輪の豪華な花まで、それぞれ個性的なダリアが約250種も栽培されています。そして標高差を活かして長期にわたって出荷しています。
ひとつの球根から24の花が咲く
多田さんは、ピンク色の「ミッチャン」とオレンジ色の「オレンジストーン」の2品種を栽培しています。
需要期は5~6月と9~11月。夏場は露地、冬場はハウスで栽培しています。
夏場は暑さ対策のためにミストを活用し、冬場は5℃まで下がるため、ハウス内の加湿や暖房で温度管理を徹底し、年間を通じて出荷しています。
濃いピンクと丸みが特徴の「ミッチャン」
はっきりとしたオレンジ色で花もちの良い「オレンジストーン」
ダリアは日当たりの良い場所を好み、その環境を保つ必要があります。寒冷地では冬越しが難しく、球根を掘り起こして保存することもあります。
「高品質なダリアを栽培するため、日々観察をして、冬場はハウスの温度を20~25℃を保つなど、温度管理を大切にしています」と多田さんは言います。
市場から花店へ、そしてお客様へ届くまでに時間がかかるため、手元に届いたときに満開になるように逆算して4分咲きで収穫しているそうです。
ここでダリアのびっくりポイント!ダリアは一度の収穫で終わりではありません。数日経つと切断した節の両側から小さな新芽が生えてきます。この小さな芽が生長し、また花を咲かせます。
ひとつの球根から8本ずつ3回、合計24本ほどの花を収穫することができます。
高品質なダリアを届けるため、多田さんをはじめ農家のみなさんが丹精込めてダリアを育てています。そしてJAみなみ信州の花き部会ダリア専門班では、品種の選定や品質向上に向けた栽培技術の検討を行っています。
このように約250種類ものダリアが栽培され、それぞれの花には個性的な形や色合いがあり、小さなブーケに適した品種から大輪の豪華な花まで様々です。栽培農家とJAが一丸となって、ダリアを全国へ出荷しています。
ダリアを長く楽しむには
ダリアの花を長期間にわたって楽しむ方法をご紹介します。
1 茎は水切りか、湯上げをする。
2 葉はできるだけ取り除く(葉が少ない方が水の吸い上げが良い)。
3 花瓶の水はこまめに替え、茎の切り戻しを行う(茎を腐らせないように)。
4 傷んだ花びらは抜かずにハサミで切る(抜き取ると花びらが落ちやすい)。
5 できるだけ低温で管理し、直射日光や冷暖房の風が直接あたる場所は避ける。
6 「切り花栄養剤」を入れると、花の持ちが良くなる。
JAみなみ信州の直売所やオンラインショップでダリアが購入できます。ぜひ、自宅でダリアを楽しんでみてください。
JAみなみ信州オンラインショップでも「季節のおうちフラワー」を販売中です!
おわりに
農家さんの想いと南信州の自然が育む、地域の魅力を象徴する美しいダリア。多くの品種やカラーバリエーションを見て楽しむだけでなく、触れて感じることでさらにその魅力が深まります。ぜひ身近にダリアを飾って、長く楽しんでください。
多田さんから全国のみなさんへひと言!