長野県は、切り花や花木があふれる「花の生産県」です。カーネーションをはじめ、アルストロメリア、トルコギキョウ、シャクヤク、ラナンキュラス、ダリア、シクラメンの7品目が全国1位の生産量を誇っています。
アルストロメリアは多彩な花色と花持ちの良さで人気が高く、用途に合わせてさまざまな場面を演出できる万能な切り花です。
昭和50年代から国内で栽培されており、なかでも長野県上伊那地域での導入が早く、現在も最大産地として全国をリードしています。
収穫から出荷まで密着!
通年でいろんな品種を楽しめる美しいアルストロメリアが、どのように生産されているのか。その秘密を知るために、JA上伊那のアルストロメリア農家の小林純也さんを取材しました。
JA上伊那 営農経済部の市川純平さん(左)と
アルストロメリア農家の小林純也さん
小林さんは毎日管理を徹底し、目視で確認して、つぼみが開く前に収穫。専用のネットでやさしく包み、台車に乗せて選花場へ運びます。
選花場で余分な葉を取り除き、長さを切りそろえます。
花が長持ちするよう水揚げしてから箱詰めし、鮮度のいい状態で出荷できるように立てた状態で出荷します。
取材時は4月中旬の最盛期。1箱あたり40~50本入りの段ボールを、1日50箱も出荷するそうです。
「特に、夏場の高温と病害虫対策を意識しています」と小林さん。1年を通して出荷できるように、夏場は土に埋めたホースで冷水を流し、品質を維持しています。
「毎日のきめ細かい栽培管理が、ゴージャスで長く楽しめるアルストロメリアを消費者のみなさんに届けることにつながります」
カラーバリエーションが豊富
花びらの斑点模様は、昆虫を誘う優れもの。太めの茎はすくっと背高に立ち、細身の葉はくるりと巻いて、裏側が上を向くところがオシャレ!
斑点模様が花粉を運んでくれる昆虫を呼び寄せます
アルストロメリアの花色はピンク・黄・白など約100品種もあります。
「JA上伊那花き部会アルストロメリア専門部全体で栽培品種の調整をして、多くの品種を出荷することで、カラーバリエーションが豊富になるようにしています」
本来は春から初夏の花ですが、冷涼な気候で育ったアルストロメリアは特に日持ちが良く、色鮮やかなのが特徴で、最先端の技術を活用して通年出荷されています。
贈りものにアルストロメリアの花束を
毎年5月の第2日曜は母の日。今年は5月12日です。
アルストロメリアは色のバリエーションが豊富で、1本にたくさんの花がつくので、花束にするととても華やかです。花言葉は「幸運な日々」。
花束とともに、日頃の感謝の気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。
大切な人への贈りものに色鮮やかな花束をどうぞ