米穀

お母さんの暖かい気持ちを米粉にこめて

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2007年もスタートから10日が過ぎました。「おせちもおもちも食べ飽きた。なにか珍しくておいしいものはないかな?」――というそんなあなたにお勧めするのが、今回ご紹介する米粉を使ったパンや料理。お米の粉で作ったパンやピザ、ケーキなどのお菓子まであるのです。

 

国産米の消費量を増やすためのひとつの方策として、いま全国的にこの米粉を使った料理を提供するお店が増えています。米粉のパン(ライス・ブレッド)は小麦粉のパンと比べ腹持ちが良いなどと言われ、小麦粉のパンとは一風違った食感や特徴があります。

今回は、2007年にブーム到来が噂される米粉について、北安曇郡松川村に新しくオープンしたお店「こめのこ工房なごみや」と、2年前から米粉パン作りに取り組んでいるJA中野市女性部「米パン倶楽部(くらぶ)」にお邪魔して、色々なお話をうかがってきました。

komeko-2.jpg開店してまだ一ヶ月の若いお店です
「こめのこ工房なごみや」はちょうど一ヶ月前の2006年12月10日にオープン。ランチタイムには米粉を使ったピザ、ラザニア、サンドイッチのいずれか一品に地元産野菜のサラダなどを付けてワンコインの500円で提供するほか、米粉のパンやお菓子も100円から販売しています。

お店を運営するのは、子育て中の若い5人のお母さんたち。そして、このなごみやの母体ともいえるのが「Mフード倶楽部」という地元の伝統食の継承などを目的に活動する組織です。

「Mフード倶楽部」の「M」はMother(お母さん)、Matsukawa(松川村)、Mind(豊かな心)を表していて、ここで出会ったお母さんたちのうち有志の5人がお店をはじめたのです。5人は、パティシエで県の米粉普及推進協議会の委員も務めている先生からパンやお菓子の作り方を教わりました。

Mフード倶楽部のメンバー自体、料理好きのお母さんたちが集まっているので、3ヶ月続いたこの講習も何の苦もなく受けられたといいます。その後も村のイベントに米粉パンを引っ提げて参加し、修行を重ねてきました。

お客さんの料理への反応がよくて嬉しい
大変だったのはオープン前の2週間。12月10日にオープンと決めたものの、お店に実際に入れたのは11月の下旬だったそうで、そこから鍋やオーブンなどの設備を手配したほか、本を片手に独学で法人登記の書類作成を行い、さらに保健所への認可申請など寝る間もないほどの忙しさだったとか。

嵐のような2週間を乗り越えてオープンしたお店について、今回お話をうかがったMフード倶楽部代表の吉森里和(よしもりさとわ)さんは「想像していたよりもずっと多くの人に来店してもらっています。それも幅広い年代の方々で男女の別もありません。料理への反応も良くて本当に嬉しい」と話します。

トマト、タマネギ、ジャガイモなど料理に使うメインの野菜は自作するほか、地元の協力者が持ち寄ってくれるそうです。また、JA大北もお店を支援し、地元産100%のお米が安く手に入るよう手配をしているのだとか。

「応援してくれる人がとても多い」と吉森さんは感謝の言葉を口にしました。毎日お店がもっとも忙しくなるお昼どきには、Mフード倶楽部のメンバーも応援に駆けつけています。

komeko-3.jpgゆくゆくはネットでの販売も
お店の今後について吉森さんは次のように話しました。「このお店を一緒に盛り上げてくれる仲間の輪がどんどん広がってくれれば良いな。それから、ゆくゆくはネット販売もはじめて遠くの人にも私たちの作った米粉製品を味わってもらいたいなと思っています」

現在、アレルギーを持つ子も食べられるようにと、卵や牛乳などアレルゲンを持つ食材を使わずに作る米粉のお菓子についても研究中だとか。子育てと家事をしながら、自分たちのやりたいお店をやるエネルギッシュなお母さんたちがここにはいます。安曇野にお越しの際は是非、松川村に立ち寄ってみてください。安曇野松川にある道の駅「寄って停 まつかわ」でも米粉のお菓子を販売中。

こめのこ工房なごみや
〒399−8501 長野県北安曇郡松川村15−6
TEL:0261−62−4135
ウェブサイト: http://www2.plala.or.jp/nagomiya/index.html
※営業時間:平日午前10時〜16時(オーダーストップ15時30分)。ランチタイムは11時30分〜13時30分。それ以降はカフェ・メニューとなります。店内では米粉を使ったパンやお菓子を販売。確実に手に入れたい場合は、事前に予約の電話を入れておけば数量分を別途作り置きしてもらえます。

komeko-4.jpg米パンを学校給食にも
一方、北信州中野市で米粉パンを作り続けているのは、JA中野市女性部「米パン倶楽部」のみなさん。2年前から本格的に米粉パンの製造・販売を始め、現在は倶楽部のメンバー7人とサポートメンバー5人が毎日交代で朝の5時からJAの加工施設でパン作りに取り組んでいます。

作るパンはその日の担当者が決め、できあがるとJA中野市農産物産館「オランチェ」に並ぶほか、地元小中学校の給食や宅配のJAまごころ食材に使われたりします。

給食は火曜日と木曜日に中野市内の小中学校に出されますが、1回当たり100食前後しか作れないため、学年ごとに区切ってもらい半年ほどかけて全小中学校に提供されます。この給食と月1回のまごころ食材の日が重なると、それはもう大変な忙しさになるんだとか。給食で食べたお子さんから評判を聞いて買いに来る親御さんもいるそうです。

komeko-5.jpg食べた人が喜んでくれることが喜び
米パン倶楽部の米粉パンは米粉85%、小麦粉15%の割合。お米は地元の米農家から仕入れて製粉し、野菜は自分たちで作ったものやオランチェで購入したものを使っています。

ジャムも手作りのものを使っており、お話を聞かせてくれた代表の永沢美代子(えいざわみよこ)さんは「地元のものを使い地産地消を心がけています」と話してくれました。いそがしい合い間を縫って新しいパンの試作品作りに取り組み、みんなでアイデアを出しあいます。

米粉パンを作っていて一番嬉しいのは子どもたちの喜びの声だと永沢さん。「自分たちの思いに賛同してくれる人たちとやりがいをもって取り組んでいます。利益の追求が目的ではなく、地元産の農産物を使って自分たちで作ったものを食べた人がおいしいと言ってくれ、喜んでくれることが私たちの喜びでもあるんです」と笑顔で話してくれました。

米パン倶楽部のみなさんが作ったパンは信州中野インターそばのJA中野市農産物産館「オランチェ」で販売しています。

年が明けて長野県には本格的な降雪もあり、いよいよウィンターシーズンも本番。冬の信州をご訪問の際は、是非今回紹介した米粉パンのことを思い出して、それぞれのお店に立ち寄ってみてください。新たな驚きと発見があなたに訪れるはずです。

こちらは の記事です。
農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

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