「新春」をどこよりもはやく届ける仕組み

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南佐久郡佐久穂町海瀬にあるJA佐久浅間みなみ中部営農センターの「海瀬花木温室」では、年末になって花木の出荷が最盛期を迎えました。花木は、お正月用のボケの出荷がここで終わり、これから1月に向けてレンギョウが、そして1月下旬からはヒガンザクラが順次出荷されていきます。

生産者35名によって花木専門部が組織されており、11月下旬頃からそれぞれが畑で育てて花芽の充実した2年から3年性の枝を収穫し、温室に持ち込んできます。

搬入された花木は枝折りの作業を経て5本程度に束ねて水揚げし、そのあと加温ハウスに入れます。この加温ハウスで成長を早める過程を「ふかし」といいます。ふかし期間は品目によりことなりますが、3週間ほどハウス内で管理されて12月から2月にかけて出荷されるのです。

ハウス内は夜でも温度が摂氏18度に保たれ、また湿度も一定にするため1日に2回の灌水が欠かせません。この間に枝折促成管理、包装、荷造り作業などが行われます。

とまあ、このようにして花木の集出荷は、来たるべき年の2月中旬まで続き、主に関東や関西方面に約1350ケースが出荷されてゆくわけです。

主な花木の特徴は?

ボケ バラ科ボケ属の落葉低木で、切花に使うボケは中国原産の唐ボケやヒボケです。葉より花の方が早く咲き東洋風の趣を持ち、生け花の材料として用いられます。
レンギョウ モクセイ科レンギョウ属、樹勢が強く寒地でも栽培可能で当地方の主力品目です。利用方法は12月〜3月の促成物、7月〜8月の葉物、10月〜11月の紅葉物がありますが、主体は促成物です。病害虫の発生も少なく収穫、結束も比較的やさしいので初めて促成物を取り入れる産地に適します。
ヒガンザクラ バラ科サクラ属、促成切枝として1月〜3月まで出荷されます。栽培は極めて容易ですが、成木になるまでに5年前後の生育期間が必要です。冷涼地で栽培すると花芽が着きやすくなり、枝の充実もよく暖地に比べて休眠が早くあけるため、早期出荷ができます。

bp061227-2.jpg全国でも珍しいケースなのです
JA佐久浅間の花木専門部は、昭和42年に南佐久地域の生産者30人の研究会として発足しました。当時南佐久地方で大きな降雹があって、菊などに大きな被害が出たことや、繭価の暴落で遊休桑園が増加したことなどから、菊栽培農家が桑園の有効利用と冬期間の副収入源として着目したものです。

その後、昭和45年には海瀬地区に促成栽培ハウスが建設され、また同年には当時の佐久町農協花木部会も発足。以来、品種の切り替えなど試行錯誤を繰り返しながら実績を伸ばし、現在はJA佐久浅間管内全域で栽培され、作付面積10haにまで拡大中です。

花木の生産は、個人や法人が生産するケースが多く、今回紹介したJA佐久浅間のように生産者が共選共販で花木を出荷している例は全国でも珍しいのです。専門部は、もっぱら生産技術の向上や仲間づくり、安定的な販売先の確保、高齢化に伴う後継者の育成などの課題に向かって取り組みをしており、今後の活動が期待されています。

bp061227-4.jpg花木の通販もしています
JA佐久浅間みなみ中部営農センターでは、このようにして栽培された花木の直売も行なっています。今はレンギョウ、そして1月下旬からはヒガンサクラも扱います。1束4〜5本で、レンギョウは500円から、ヒガンザクラは600円から、通信販売もしています。郵便振込の確認後、発送する方式です。詳しいお問いあわせは下記まで。

  • 場所 佐久穂町海瀬「海瀬花木温室」
  • 時間 午前9時〜午後4時(日・祭日は除く)
    12月28日から1月9日まではお休みになります。
  • 問い合せ先 TEL0267‐86‐2911

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農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

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