米穀

なぜ長野県の秋の風景は美味しそうなのか?

信州は実りの秋

信州の秋の風景はとにかく最高です。もちろん、春にりんごの花が満開を向かえているときもいいし、山々が新緑におおわれている初夏の澄んだ風景もいい。千曲川の水面にさんさんと陽の光が照りかえる麦わら帽子の夏も良ければ、深々と降り積もる雪が喧騒を消し去って野山一面を白銀の世界へと変えてくれる冬の景色も、そりゃあいいもんです。でも、でもです。やっぱり信州と言えば、秋の景色が一番のオススメなのです。特に晩秋を迎える今ごろは、紅葉も里に降り、はるかに見える北アルプスでは冠雪を向かえて、秋晴れの高い空の下に、なんとも言えないコントラストを描いてくれているのですから・・・。っと、アー疲れた、慣れない表現はシンドイわ。

 

なに長野米のおいしさをご存じない?
いや、ここで使った『秋の風景が一番』っていうのはホントウです。なんてたって、黄金色に実ったお米たちが、刈り取りの時期を向かえますからね。今はもう稲刈りもすっかり終わり、「はぜ掛け」され、天日干しされている田園の風景なんてものは、思わず『新米さん、いらっしゃーい』と叫びたくなるぐらいに、良い風景だなって心の底からシミジミ思います。だって、やっぱりご飯が好きだもの。パンより『お米』ぞ! 朝は味噌汁に納豆だい!! とまあそういうことで、今回は実りの秋に「エエッ? やっと登場だったの?」という位、意外な気もする『長野米』をばモリモリと・・・じゃなくて、ドドンと紹介いたします。

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長野県は知る人ぞ知る米どころ
『長野米』をドドンとご紹介する前に、チョット、リサーチをしてみました。道行く方々に伺ってみましょう。「長野県の農産物」でイメージされるモノは? ハイ、いろんなお答えが返ってきましたね。エー、高原で作られているレタス等の夏野菜に、りんご・ぶどう・もも・なし等フルーツがいっぱい、と。フムフム。それから、キノコに白菜で寒くなるこれからは鍋の材料が盛り沢山なんて声もありましたね。アリガトウございました。

 

しかし、皆さん! この程度ではまだまだ『長野』をご存じない!と、記者は声を大にして云いたい!! よろしいですか、長野県は知る人ぞ知る、「米どころ」でもあるのです。

食味ランキングをご覧あれ
南北に長い長野県(212Kmもある)、その北から南までの各地でお米は作られています。主に作られているお米の品種はコシヒカリで、その評価たるや特A(財団法人日本穀物検定協会が毎年公表している食味ランキングの最高位)の産地が3JAに、A(同2位)の産地が12JAもある、リッパな米どころ。日照量が多く、昼夜の寒暖差が大きい気候が、旨みたっぷりな長野米を作りあげてくれるのです。

今年の長野県の米の出来は作況指数98の平年並みですが、気候にも恵まれて、例年以上においしく出来上がったと上々の評価です。

長野米がかくもウマイわけ
それでは、せっかくの機会でもあり、長野米の美味しさの秘密をもう少し詳しく教えちゃいましょう。

まずひとつ目。内陸性で盆地の多い長野県は、日照量が多く、昼夜の寒暖差が大きいことは前にも述べましたが、この信州の気候が稲の余分な代謝を抑え、光合成で作られた米のうまみのデンプンをたっぷりと蓄積してくれるからウマイ!

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さらにもうひとつ。雪国信州では、冬の間にたくさんの雪が降り積もります。その豊富な雪解け水は、山々に蓄えられ、そこから流れ込む清らかな水がおいしい長野米を育んでくれるからウマイ!

 

さらに付け加えるならば、この恵まれた自然を活かす確かな技術。北から南まで、標高にすれば300mから1,300mまでの高低差がある多様な自然環境に対応できるきめ細かな稲作技術を歴代の農業者がつくりあげ、そうやって育てられたお米は、真夏でも平均15℃に保たれた倉庫で大切に保管され、おいしさを長持ちさせているから、いつまでもウマイ!となる訳です。

さらに美味しくなるお米のティップス
さあそこで、このウマイ・ウマイ・ウマイ「長野米」を、さらに美味しく召しあがっていただくために、お米の扱い方のアドバイスをばひとつご紹介。

    1. まず、たっぷりの水で全体をザット流しザルへ移してください。

それから洗米となりますが、力加減は腕一本の重さをかけるくらいの感覚がベスト。お米を割らないように軽快に研ぐのがコツです。

  1. 数回洗って水が澄んできたら(やりすぎるとお米表面のうまみ層が流れるのでホドホドが良いですね)、冬は1時間、夏は30分以上、水に浸してから、炊きあげる。

  2. そうすると、ホーラ、モチモチ感がしっかり引き出された、美味しい長野米が出来上がります! 美味しそうでしょ? 匂いからしてたまりません。

信州には日本の原風景がある
田植えされたばかりの苗が風に揺れ、山や青空をまるで鏡のように映し出す水田。すっと伸びた稲の緑が一面に広がる水田。黄金色に実った稲穂が、重い頭(こうべ)を垂れている水田。稲作の風景って、やっぱり日本の農村の、大切にしたい原風景のひとつだって改めて感じます。

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今夜はどんなご飯にする?
とまあそんなことにも思いを巡らせつつ、さて、今日のゴハンはなににしよう? 新米のおいしさを充分堪能するように、真っ白なゴハンもいいけれど、ここはひとつ信州の秋の味覚とのコラボレーションもいいかも。栗御飯にしようか、それともキノコの炊き込み御飯がいいか・・・ここはひとつ、じっくり考えてみるとしましょうか!

 

こちらは の記事です。
農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

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