あの真っ赤なリンゴが帰ってきつつあります

 

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ちょうどこの時期、街のスーパーなどでひときわ赤いリンゴを見つけたら、きっとそれは「紅玉」です。19世紀初頭にアメリカで発見され、明治時代に日本にやってきたのがこのリンゴ。20世紀において一時は隆盛を誇っていたものの、昭和40年代に価格が下落し、新品種が相次いで登場するうちに、少しずつその姿を消していきました。ところが、21世紀になったいま、再びこの紅玉にスポットライトが当たってきているようです。酸味と甘みが調和したさっぱりした味と食感に加えて、「お菓子には紅玉じゃないとダメ」という方の熱い支持に支えられ、じわじわと人気が回復してきています。

 

大正時代から残るリンゴの木
長野市の真島地区にあるJAグリーン長野真島フルーツセンターは、この季節、紅玉の出荷で賑わいを見せています。同地区で紅玉を生産する中澤卓三さん(写真)は、JAのリンゴ部会長を長く務めたベテラン農家。真島地区は県内でも早くに紅玉の産地化が進んだところで、中澤さんの畑には大正時代から残るリンゴの木が、今もたわわに実をならせています。

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「古くから残る樹ほど実がしまって味も良い」と中澤さん。聞けば中澤さんのところでは、葉摘みをあまりしないとのこと。葉っぱに光合成をさせて、養分を十分に作らせるためなのだそうです。

紅玉は枝を垂らして実を付けさせることで玉揃いが良くなるらしく、樹上で鈴なりとなって濃い赤色を放射する無数の紅玉は、思わず見とれてしまうほどの美しさでした。

完熟紅玉の収穫にはプロの目が必要
中澤さんが所属する「ジョナサンの会」では現在、樹のうえで完全に熟させた「完熟紅玉」の生産に取り組んでいます。

一般の紅玉よりも収穫時期を遅らせることで、蜜の入りが良くなるのです。ただし、収穫を遅らせると、実が軟らかくなり日持ちが悪くなるという特性もあることから、収穫はプロの目で適期を見極め素早く行われます。

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ジョナサンの会では、除草剤や化学肥料の使用を制限し、有機質肥料による土作りに重点を置いたリンゴ作りを心掛けています。昔ながらの樹のうえでしっかり完熟させた本物の紅玉の味を、消費者の皆さんに知ってほしいという思いが中澤さんにはあるからです。

今年は例年より4〜5日ほど生育が遅れているとのことで、来週ぐらいから収穫が本格化し、10月の中旬まで出荷が続きます。ちなみに、ジョナサンの会のジョナサンとは紅玉のことで、アメリカ原産のこのリンゴに最初に注目した人の名前がつけられています。

更けゆく秋を紅玉で味わう
紅玉の人気はじわじわと回復してきているのですが、新たに紅玉を導入しても、収穫までは早くても3〜5年はかかるために、生産者の高齢化が進む中ではなかなか増産体制をとれないのが実情ですが、中澤さんは「命のある限り紅玉を作り続けていく」と力強く決意を口にしました。

JAグリーン長野真島フルーツセンターでは、紅玉の宅配にも応じています。詳細は真島フルーツセンター、電話026−285−3240でご確認のほどを。また、JAタウン「全農長野 僕らはおいしい応援団」でも予約を受付中です。宝石のルビーの和名も「紅玉」ですが、まさに宝石のように輝くリンゴの紅玉を、この秋は是非お試しください。

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農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

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