果物

あんずははじまるとすぐに終わります

あんずいよいよあの甘酸っぱいオレンジ色に熟したあんずの出荷がはじまります! 一目十万本といわれる信州のあんずの里千曲市森地区は、国産あんずの三分の一の生産量を誇る産地です。シーズンがはじまると集荷所は甘酢っぱ〜い香りに包まれます。JAちくまの「僕らはおいしい応援団」ショップもあんず色に染まりました。あんずはもともとが日持ちが悪くて収穫期間が短い果物。はじまったらあっという間に終わりが来ます。裏を返せば「まさに旬を感じることができる果物」なのです。どうか一年に一度のあんずの短い旬を、目と鼻と口で存分にご堪能ください。

善光寺一円があんずの里だった
長野県のあんず栽培の歴史は古くて、江戸幕府の時代には咳止めの漢方薬になる杏仁(きょうにん・あんにん)を採集するために多く栽培されていました。県の特産品で、主に北信地方、千曲市森・倉科地区や長野市松代町東条などでの生産量が多く、「善光寺 鐘きく里の あんずかな」と古くから詠われているように、善光寺の鐘の音のきこえる一円は、見渡す限りあんずの里だったようです。きっとこの季節にはよい香りが漂っていたのでしょうね。

千曲市にあんずがもたらされたのも元禄時代といわれています。一説によれば、伊予宇和島藩主伊達宗利候の息女豊姫が、第3代松代藩主真田幸道候にお輿入れのおり、故郷の風情を偲ぶために、あんずの種子を持参したのがはじまりだと言われています。当時は種子の中にある「杏仁」が、医薬品とて珍重され、松代藩が栽培を奨励したため、今日の姿になりました。(写真下・樹齢200年の古木)

樹齢200年の古木もともとは薬として栽培されていた
あんずは食用として広く知られていますが、薬としての歴史が非常に古く、咳を鎮める薬として杏仁(きょうにん・あんにん)が漢方薬に用いられてきました。種子の「仁」を取り出し乾燥したものです。民間療法では、花や果肉も用いているようです。杏仁は鎮痛・解熱・利尿作用、健胃、せき止めに、あんずの花は便秘・食欲増進に、果肉は、疲労回復に効果があるようです。

アンズの持つ甘味はブドウ糖や果糖、酸味はリンゴ酸やクエン酸によるもので、こうした有機酸は胃液の分泌を促進させて消化をたすけ、食欲増進・便秘に効果あります。ビタミンではA(カロチン)も多く、ミネラルではリンと鉄が多く含まれています。また、干しあんずには果糖が非常に多くハイカロリーなので、登山や遠足や激しい運動後などに2、3個食べるだけで元気が回復します。緩下作用にも優れていますので、便秘がちの人は毎日食べるとよいといわれています。 昔からあんずは、冷え症に効くことで有名ですが、冷え症で虚弱体質の方は、あんず酒(熟したあんず1kgを洗い、水切りしたものを、氷砂糖200gとともに広口ビンに入れ、ホワイトリカー1.8リットルを注ぐ。6ヵ月たったらあんずを取り出す)を就寝前に杯一杯飲めば、体が温まり滋養強壮作用を発揮してくれますよ。

あんず栽培50年の稲玉さん今年の数量は期待できそうだと
千曲市森の稲玉政好さん(JAちくま あんず部会長 写真左)は、あんずの栽培をはじめて50年。数あるあんずの中でも一番最初に収穫をする「平和」を中心に「さつき」「昭和」を栽培しています。今年は、春先の日照不足・雨不足の影響もあって、色づきが遅く昨年よりも4〜5日遅い出荷(6月25日ごろ?)となりそうだとか。実の大きさはやや小ぶりですが数量は昨年より期待できそうだと、今から収穫のを楽しみにされています。

シロップ漬けと甘露煮右の写真は、稲玉さんの家のあんず(丸)のシロップ漬けと甘露煮です。あんずのオレンジの色がとっても鮮やかではありませんか。甘酸っぱくてさわやかな味が口いっぱいに広がり、まさしくこれが初夏の味! 毎年たくさん漬けて、親戚や友達に配ると大変喜ばれるというのもわかります。どうですか、今年はみなさんもたくさん漬けて旬の短いあんずを一年中楽しみましょう。

あんずのシロップ漬けの作り方

材料 あんず5〜6kg、シロップ(水1リットル、砂糖1〜1.2㎏)

  1. あんずの大きさを見て、丸または二つ割にする。
  2. あんずを湯通しして煮沸したビンに形よく詰める。
  3. 熱いシロップを(2)に注ぎいれしばらくおく。
  4. しばらく様子を見て(3)にまたあんずを詰める。(二度詰め)
  5. (4)にふたをし、半回転もどしたものをビンごと煮沸し、脱気7分、しっかり締め6分殺菌する。

 

あんずは収穫の時期がが集中します。3〜4日で穫ってしまわないと、実はどんどん熟して木から落ちてしまうのです。落ちたあんずは商品にはなりませんので、稲玉さんのところではジャムにして楽しんでいます。でも煮すぎると色が変わってしまいますのでご注意!

ただ今JAタウン「全農長野 僕らはおいしい応援団」では
JAちくまの『生あんず』を販売中です。

ジャムやシロップ漬けには、平和(収穫時期6月27日〜7月5日)、信山丸(収穫時期7月1日〜10日)が、ジャムやシロップ漬けはもちろん、生食でもいけるのが信州大実(収穫時期7月5日〜15日)、信月(収穫時期7月10日〜20日)。やはり生(なま)でガブッといただきたいなら、甘さも食感もあんずを超えた・・・ハーコット(収穫時期7月5日〜10日)がおすすめ。 ご注文は全農長野 僕らはおいしい応援団で。

indexarrow.gif 全農長野 僕らはおいしい応援団 JAちくまのページ

 

anzu.gif全農長野の「信州の素材を生かす特選レシピ」からアンズのレシピ4種

 

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農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

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