まさかパセリを残したりしないでしょうね

５月もはや半ばになり、このところ週末はとってもお天気が良くて、汗ばむくらいの陽気に恵まれ、外に出るのが気持ちいい季節です！！　公園の木々も新緑が鮮やかで、サツキやツツジ、ハナミズキの花が色どりをそえてキレイですよぉ♪　さて、緑といえば、さまざまな野菜が県内のあちこちで出荷の時期を迎えておりますが、５月はレタス、アスパラガス、とみなさんおなじみの緑黄色野菜が店頭に並びます。そこで、今回はあえて脇役のイメージが強い野菜「パセリ」に探検隊としてはスポットを当てたいと思いまーす！！　さまざまな料理の「飾り」に使われている、あの緑色の濃い葉の「パセリ」にこそ、きっと主役級の秘密があるとにらんだ不肖わたくし、今年初めての登場になります野菜担当の＜いいじゃん！探検隊員４号＞が、張り切って「パセリ」を徹底調査してまいりました。(^_^)v

「パセリ」はお好きですか？
この質問には、きっと戸惑う方もいるんじゃないかな？　だって「パセリ」を好きか嫌いかどうか感じるほど召しあがっている人って少なさそうだし。そのくせ「パセリ」は知らない人がいないくらいにポピュラーな野菜。でも、その存在といえばレストランなどで料理の飾りにそえられている姿のみ。飾りものの「パセリ」は食べられることなく残されるのがほとんど。どちらかといえば、香りも強いために敬遠されがち。実のところ「パセリ」の詳しいことって、他の野菜に比べてあまり知らないですよね？

長野県は夏のパセリの主産地です
はかくいうわたくしも調査するまで、この「パセリ」が栄養価は緑黄色野菜の中で王様と呼ばれるくらいにすごい薬草だってことを知らなかったんです！！　しかも、ここ長野県が夏場の主産地になっていて、全国第２位の生産量を誇っているにもかかわらずです。なんとなんと長野県のパセリ生産量は１８００トン（平成１６年度）。長野県でのパセリの栽培は昭和２６年ころから松本市ではじまり、昭和３０年代には諏訪や松筑地方に拡大しました。現在の主産地は、茅野市、原村、富士見町、松本市、塩尻市、朝日村、長野市などとなっており、全国へむけ出荷されています。出荷は５月から１１月まで続き、出荷のピークは７月と８月です。

驚きのパセリ、その真実
「パセリ」はせり科オランダゼリ属で、「パセリ」はれっきとしたハーブのひとつ。原産地は地中海沿岸・アフリカ北岸。すでに紀元前にギリシャでは香辛料として用いられていました。日本に渡来するのは江戸時代で、オランダ人によってもたらされたそうです。日本で「オランダゼリ」とも呼ばれているのは、この理由からでしょう。わが国での本格的な栽培は明治になってからで、その後もそれほど消費が伸びたわけではありません。主に肉料理のあしらいであり、日常的な野菜として認識されるようになるのは、この薬草の食効が見直されてきたごく近年のことなんです。

驚くべきはミネラルやビタミンの含有量が非常に高く、ことにビタミンＡとＣが多量に含まれること。とりわけビタミンＣの含有量は群を抜いて多く、理想的なビタミンＣの供給源なんです。また、カロチン含有量も、シソに次いで高く、ニンジンとほぼ同じ。う〜ん！　こんなにスゴい栄養素が含まれる「パセリ」を食さないというのは、非常にもったいないことをしていたんじゃあるまいかしらん。

とはいえ、ハーブですので、生ではそうはたくさん食べられません。でも、でもであります。ちょっとした調理の工夫をすればＯＫ！　さっと油で揚げたものは香りもやわらぎ食べやすく、おまけに油と一緒に摂取すると、体への吸収も良くなるとのこと。パセリをさっとゆでたおひたしも、これがあなた、おいしいのです。カルシウム、鉄分も多く、栄養価が濃厚なので、たとえ食べる量は少ないとはいえ、各種のビタミン、ミネラルの供給源としては、きわめて有効な野菜なのです。

好ましいパセリとのつきあい方
「パセリ」を買うときのポイントですが、ぜひ新鮮でしゃきっとしているものを選んでください。葉の部分が黄色や、茶色になっていたりするものは避けること。また大束でまとめて買ったときは、水をいれたコップにさして、ラップで軽くおおって冷蔵すると、元気なまま保存できますが、ビタミンＣは若干低下します。別の保存方法としては、細かくみじん切りにしたものをビニールの袋に入れて冷凍しておけば、料理のトッピングやシーズニングとして利用できますよ。

もともとそうはたくさんの量を使うものではないので、新鮮なものを長期間すこしずつ使いたいときには、プランターや鉢植えで自家栽培するのも手かもしれません。いいＪＡん信州 Let's家庭菜園のサイトに「プランターづくりに最適なパセリ」という記事がありますので参考にしてください。

それから「パセリ」の意外な使い方をひとつ。これからの季節は蚊に悩まされますよね。ナント、こんなときに「パセリ」が大活躍！！　夏の虫さされにはパセリの葉をすりつぶしたものを塗り込んでみてください。あら不思議、かゆみがおさまりますよ。みなさん、「パセリ」の実力、お分かりいただけましたでしょうか？

パセリのようなやつ
そうそう、「パセリ」について調べていたら、なんと西洋ではどこにでも顔を出す人間のことを「パセリのようなやつ」なんて言うそうです。面白いでしょ♪ それにしても「パセリ」ってスゴ過ぎ！！　って感じです。お料理に"ちょこ"っとそえられている「パセリ」を食べずに残すとは・・・なんて無駄なことをしていたんでしょう。大いに反省した［いいじゃん！探検隊員４号］がお伝えいたしました！(^_^)v