国連食糧農業機関(FAO)は2001年、牛乳に対する関心を高めると同時に、酪農・乳業の仕事を多くの方に知ってもらうことを目的として、6月1日を「世界牛乳の日(World Milk Day)」とすることを提唱しました。 これに合わせる形で日本でも、日本酪農乳業協会(現・一般社団法人Jミルク)が6月1日を「牛乳の日」、6月を「牛乳月間」と定めました。
今回は県内外の方から愛されている牛乳メーカー・株式会社ヤツレンを紹介します。 ヤツレンはJA長野八ヶ岳の子会社。八ヶ岳連峰東麓に建つ野辺山工場に向かうと、汽車のイラストの看板とジャージー牛のオブジェが見えました。 代表取締役専務(当時)三石博之(みついし・ひろゆき)さんに、ヤツレン乳製品の魅力を伺いました。
野辺山高原は標高約1,300m。避暑地として観光や高所トレーニングにも利用されています。 牛は夏の暑さに弱いため、冷涼な気候は牛飼育にピッタリ! 現在、野辺山高原で3,000頭ほどの牛が飼育されています。
三石さん「ヤツレンの野辺山高原牛乳は、牛乳工場まで輸送時間30分以内の距離にある酪農家から集めた新鮮な生乳を使って作ります。搾りたての生乳をすばやく製品化することで、おいしく新鮮な牛乳を提供しています」
「八ヶ岳野辺山高原3.6牛乳」をいただきました。飲んでみると牛乳の濃厚な甘さにびっくりします。 三石さん「『3.6』とは乳脂肪分3.6%以上という意味です。乳脂肪分が高いことで乳脂肪の甘さを味わえます」 食品衛生法に基づく「乳等省令(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令)」によると、牛乳の乳脂肪分は3.0%以上のものとされています。八ヶ岳野辺山高原3.6牛乳の乳脂肪分の高さがわかりますね。
野辺山高原牛乳は、汽車のイラストと、その煙に書かれた「シュッポッポ」の文字から、『シュッポッポ牛乳』や『ポッポ牛乳』という愛称で親しまれています。 ポッポ牛乳は地元の小中学校と、都内小金井市、武蔵野市の小中学校の学校給食にも利用されています。
三石さん「もともと地元の小中学校だけだったのですが、都内小中学校も味を評価してくれてオファーしていただきました。『牛乳嫌いだったけどヤツレンの牛乳はおいしく飲めた』という生徒さんの話を聞くとうれしくなります」 こんなにおいしい牛乳が給食で飲めるなんて羨ましいです。
なぜ牛乳のパッケージに汽車のイラストが描かれているのでしょうか。 三石さん「1975年の創業当時、牛乳を製造する工場のすぐそばには、小海線で活躍し1972年に引退した蒸気機関車C56があり、その車体を活用したSLホテルが営業されていました。多くの人に愛され、野辺山を代表する存在だった蒸気機関車C56のすぐそばで製造される牛乳ということで、C56をイメージしたトレードマークがデザインされることとなりました」
現在SLホテルは営業を終え、C56はJR野辺山駅前にある銀河公園に展示してあります。 機関車と聞くと、子どもたちに大人気の某機関車キャラクターを想像される方もいるかもしれません。 そのアニメが日本での放送を開始したのは1990年。それよりも前から、ポッポ牛乳は親しまれてきました。
三石さん「工場正面にある南牧村農産物直売所ではグッズも売っています。Tシャツが特に人気ですよ」
老若男女問わず親しめるデザインは魅力的ですね。
直売所ではシュッポッポグッズだけでなく、ヤツレン乳製品や南牧村産の新鮮な野菜が購入できます。
南牧村産の高原野菜
常温保存可能な加工品もたくさん販売されています。 手前にあるのは「シュッポッポラスク」と「シュッポッポサブレ」です。
南牧村農産物直売所
観光後のお土産はこちらで決まりですね。 三石さん「直売所は静岡県、山梨県、関東圏などのリピーターのお客様が多いです。コロナで来られないという方は、県内外の量販店やオンラインショップでも販売していますのでチェックしてみてください」 これからもおいしい牛乳をお願いします。
こちらは 2021.06.22 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
ゆっけ
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