提供・JA長野八ヶ岳、ヤツレン
「牛乳? 最近飲んでないなあ、昔はよく飲んでいたのだが...」 近年、牛乳の生産・消費量が減少しています。農林水産省の調べによると、牛乳等の1人1年当たりの消費量は平成27(2015)年で23.7L。ピークだった平成2(1990)年の消費量約34.0Lと比較すると、日本国民全員が15年の間で約10L分の牛乳を飲まなくなった、という結果となります。 そんな状況をふまえ、日頃の生活で牛乳や乳製品をより活用してもらおうと、牛乳・乳製品を使った料理コンテストが長野県で開催されました。
長野県牛乳普及協会が主催するこの牛乳・乳製品料理コンクールは今年で35回目。「牛乳・バター・生クリーム・スキムミルク・チーズ・ヨーグルト」の6項目の中から最低1つを使用して、簡単なオリジナル料理を競い合います。 応募資格者はプロのシェフや調理師ではなく、高校生以上の一般消費者となっているので、審査項目も、味つけやアイディア性はもちろんのこと、短時間に普段の家庭のなかで手軽に作れる「普及性」が一番のポイントとなっています。
最優秀賞を受賞した丸山さん(右)と長野県短期大学の中澤教授
今回、100件以上あった応募のなかから、書類・実演審査を通じて見事、最優秀賞(長野県知事賞)に選ばれたのは、長野県短期大学2年生で健康栄養を専攻している丸山奈緒さん(20)の「牛乳豆腐の甘酢みそだれかけ」。審査委員からは「調理が簡単、食卓のおかずに気軽に1品加えることができる」「牛乳豆腐のコクとみそだれの酸味・旨味が調和しておいしかった」「みそだれによって、牛乳豆腐を作る際に使用する酢の風味がきれいに消されている」といった声が多く挙がりました。
料理・レシピはこちら▼ 『牛乳豆腐の甘酢みそだれかけ』
長野県短期大学では、調理学の実習として郷土食のレポート、または、牛乳・乳製品料理コンクールへの応募のどちらかを選択して取り組む授業があり、最優秀賞を受賞した丸山さんは牛乳・乳製品コンテストへの応募を選択。コンテストには牛乳豆腐を使いたい! と早い段階で考えていたなか、味噌は一般家庭の冷蔵庫に常に入っていること、信州には味噌文化が根付いており、信州らしさが演出できることを理由に今回の料理を作ろうと決意しました。丸山さんは、「この料理はとてもシンプルで失敗しにくいと思います。家庭でも気軽に楽しく作ってほしいです」と話してくれました。
優秀賞を受賞した4人(左から土井さん、藤山さん、中島さん、櫻井さん)
続いて優秀賞(JA全農長野本部長賞)を受賞したのは、またまた学生。木曽青峰高校3年生の仲良し4人組、中島和輝さん(17)・櫻井雅翔さん(17)・土井大夢さん(17)・藤山貴斗さん(17)が作った「クリーム蕎麦」。審査委員からは「伸びにくい乾そばを使用していて工夫が見られた」「トッピングに木曽の特産すんき漬が使用されており、すんき漬の酸味がアクセントになっていた」といった声が挙がりました。
木曽青峰高校では、学生が自ら興味のある授業を選択できる制度があり、優秀賞を受賞した4人の皆さんはフードデザイン科目を選んだ普通科の学生。図書館で情報を集め、どんな料理にするのかを企画。4人で話し合うなかで地元の特産品を使おう! といった意見が出たことをふまえ、すんき漬けをトッピングで使用することを決めました。リーダーを務めた中島さんは「普段料理をする機会がないので実演審査はとても緊張しましたが、自分たちで料理を考え、作るのはとても楽しかった」と話してくれました。
料理・レシピはこちら▼ 『クリーム蕎麦』
審査委員長を務めた保健学博士の中澤弥子先生は、今回のコンクールについて「高校生からの力作が例年以上に多く寄せられ、驚きました」と話します。また、牛乳・乳製品を料理やデザートに使用することは、不足しがちなカルシウム・良質のタンパク質などをおいしく補うことができることに加え、コクや旨味が増すことによる減塩効果が期待できるとし、「和風のおかずにも牛乳・乳製品を上手に取り入れ、新しい家庭の味を発見してほしいと思います」と話してくれました。
こちらは 2016.10.04 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
あぐり君
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