長野県は野菜・果物・きのこ・・・と多種多様な農産物が生産されています。読者のみなさんも、そんなイメージをお持ちかと思います。 し・か・し! 長野県は作物だけじゃありません! 今回は、長野県の牛乳についてご紹介いたします。
やってきたのは、県東部に位置する野辺山地区。標高1300mを越し、夏は涼しい避暑地ですが、冬は-25℃にもなり、県内一の寒冷地を誇る場所。八ヶ岳山麓に牧草地が広がる自然豊かな環境です。
取材したのは、小林右子さん。畜産をはじめて7年になる右子さんは、親牛・仔牛あわせて170頭あまりを飼育しています。 訪れたのは12月上旬。-25℃まではいかないものの、牛の吐く息も真っ白です。「牛たちは寒くないのか?」とお思いの方もいらっしゃるかと思いますが、外に比べ牛舎内は温かく、牛たちは身を寄せ合うようにしているので大丈夫なのだそう。
右子さんの朝は早く、朝の4時半から作業が始まります。牛たちに飼料をあげて、牛舎の清掃をします。 一息つける10時頃には、おなかがいっぱいになったのか、牛たちもまったりしています。ときどき、ブラシで毛並みを整えるのだそう。
使うブラシはこちら。歯が鋭く痛そうに見えますが、やさしく撫でてあげると気持ちよさそうにするのだとか。いきなり撫でたり、力を入れすぎてしまうと、牛もビックリして怒ってしまいますので、手で「ポンポン」と合図してからやさしく撫でるのがポイント、と語る右子さん。
基本的な話ですが、ミルクは牝牛からしか出ません。さらに言えば、子育て中の母牛からしかミルクは出ないのです。ですので、牛舎の中には妊娠中の牛、出産を終えたばかりの牛、そして生まれたての仔牛がたくさんいます。
こちらは、生後6カ月ほどの和牛の仔牛です。 わんぱく盛りなのか、近づいていくと柵のギリギリのところで身を乗り出さんばかりに出迎えてくれます。
こちらの個別の柵に入った仔牛は、なんと生後10日! 興味津々なのか、取材スタッフにイタズラしようとしている上目遣いが、なんとも愛くるしいです。
つまみ食いする牛も
夕方になると、おがくずを新しくし寝床の準備と夕飯です。牛たちは、待ってました! と言わんばかりの食いつきよう! 一列になって黙々と食べています。 夕飯を食べ終わると搾乳の時間です。搾乳機を使って、一頭一頭しぼっていきます。 搾乳が終わる頃には、もうあたりは真っ暗です。
右子さんに、おいしい牛乳づくりの秘訣を教えていただきました。 「飼料はもちろん、天気や空気といった自然が大事だと思います。生き物なのでストレスに左右されます。(ミルクの)量や味が違ってくるときは、ストレスを軽減し牛にリラックスしてもらうのが一番です」
特に気を使って行なっていることは、「おはよう」「今日はよろしくね」と牛に話しかけていることだそう。毎日話しかけることによって、具合が悪い牛にいち早く気づくことができる、と教えてくれました。 また、牛たちの性格もそれぞれで、イタズラをしてくる子もいるのだとか・・・。仕事の合間に見る八ヶ岳や、仕事終わりに見上げる星空がキレイで、自分のペースで作業できるところに楽しさややりがいを見つけていました。
JA長野八ヶ岳管内にある野辺山高原の牛乳は、ヤツレンへ運ばれ低温殺菌、大腸菌検査、風味・成分検査等、さまざまな検査を合格した牛乳だけが出荷されていきます。ヤツレンでは、牛乳が各地区から集まってきますが、野辺山高原で作られる牛乳のパックには「八ヶ岳 野辺山」と記載されています。
ヤツレン工場の隣にあります南牧村農畜産物直売所では、牛乳だけでなく、チーズやヨーグルトの加工品も販売されております。 イートインコーナーでは、八ヶ岳ジャージー牛のソフトクリームも売っています。 オススメはヨーグルトソフトクリーム! 一見、普通に見えますが、ソフトクリームの下にプレーンヨーグルトが入っており、ソフトクリームとヨーグルトを混ぜながら食べると、とてもおいしいです♪
野辺山の自然と、牛との対話によっておいしい牛乳が作られているのだと感じました。 お近くのお店で「八ヶ岳 野辺山」の牛乳を見つけましたら、ぜひ手にとってみてください!
ヤツレン
南牧村農畜産物直売所 長野県南佐久郡南牧村野辺山100-4 TEL 0267-98-2780
こちらは 2017.12.26 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
ジャスミン
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