JA中野市のキャラクター、えのたんをあしらったプレートにのった「きのこバーガー」
株ごと売られていることが多いキノコ。食べられない根元の石突き部分はどこまでなのか―。迷う方は多いのではないでしょうか。生産者によると、捨てるのは菌床に接していた、ごく端の部分だけ。残りは食べられるので、しっかり召し上がってほしい、とのことです。
それでも、根元に近い部分より傘があるほうがキノコらしくて、なんとなくおいしそうな気がしますが、これも間違っているようです。エノキタケの場合、軸が詰まった株元のほうが、うま味が濃く、おいしいそうです。その特性を生かすためJA中野市の直売所「信州中野いきいき館」が6月から本格販売し、人気を集めているのが「きのこバーガー」です。
帆立て貝を思わせる軸が詰まった「きのこバーガー」の断面
ホタテの貝柱に似た食感で、ステーキとして味わうレシピが知られるエノキタケの株元(切り株エノキ)を利用。トンカツ風にパン粉で包んで揚げた上、地元産のトマトとレタスを挟んでハンバーガーに仕立てました。同館スタッフの佐藤清美さんが考案しました。
取材前はてっきり、ほかの調理段階で余った株元を利用したアイディア商品の類なのではと思っていましたが、これも全然、違いました。実際は、調理段階で株がばらけないよう、固くしまった株元を厳選する必要があるそうです。ハンバーガーになっている株元は、"選ばれた株元"なんですね。失礼しました。
当初は自身が講師を務める料理教室で紹介した和風味=レシピ参照=でしたが、こってり感とボリューム感を好む若い世代の声を反映させ、ベーコンやデミグラスソースも加え、改良しました。確かにソースの味といい食べ応えは十分。昭和を知らない20代前半の同僚にも好評でした。
ようじをアクセントにした「きのこバーガー」のパッケージ
エノキタケの繊維が歯に詰まりやすいため、製品にはようじを付けました。パッケージの真上にJA中野市のキャラクター「えのたん」のシールで、ようじを貼り付けた姿はインパクト十分。1個350円(税込み)で6月から売り出すと、土・日曜日は1日30個ほど、平日でも10個ぐらいずつ売れる好評ぶり。同JAの別の直売所「オランチェ」でも扱っています。佐藤さんは「株がしっかりしたエノキタケを選ぶのが実は大変でした。食感を含めたおいしさを広めたい、という生産者の思いをしっかり味わってください」と語っています。
同直売所では「きのこバーガー」にも使われているエノキタケの株元が「ステーキえのき」の名前で2株80円(税込み)で売られています。
■「きのこバーガー」が買える場所 信州中野いきいき館 JA中野市農産物産館 オランチェ
こちらは 2019.08.20 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
昭和人Ⅱ
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