この花な~んだ?
正解は(上から)アルストロメリア、アネモネ、ダリア。 それぞれピンクティアラ、ミストラルプラス、ラララという品種なんだそうです。生産者から言うと品種名まで挙げないと意味がないのだそうですが、不案内な筆者には到底、答えられません。
長野県は、夏場の冷涼な気候をはじめ、1日の大きな気温差、きれいな水、標高差などの自然条件を生かし、全国有数の花き生産県となっています。 アルストロメリア、カーネーション、トルコギキョウなど日本一の生産量を誇る品種も数多くあります。 実力、存在を地元でもアピールしようと全農長野や各JAは、県などが加わる長野県花きイノベーション推進協議会とともに「花育」活動に力を入れています。第50回信州フラワーショーウィンターセレクションに合わせて小学生を対象に開いた「フラワーアレンジメント教室」をのぞいてみました。
各テーブルに県花き青年部のメンバーらが付いてアドバイス
伊那市のJA南信会館です。 この日集まったのは近くの伊那東小学校の4年生3クラス約100人。クラスごとに順番で教室に参加しました。 最初に県農政部の担当者が全国有数の長野県の花の生産について易しく説明してくれました。 実際にこの日使う花、アルストロメリア、ダリア、アネモネを掲げて「何の花かな」と問うと、すかさず手を挙げて正しく答える子がいて、「さすがに産地ですね」とうなる場面もありました。 ハウス栽培されている品目は、産地でも周りの人が目にする機会が少ないため、意外に知られていないのです。花育授業をする理由の一つです。
続いてJA上伊那の城倉由妃さんを講師にアレンジメント作りです。 水を吸わせたスポンジに用意した花を挿していきます。 4人ずつ9つのテーブルに分かれた子どもたちに、それぞれ若手生産者ら2人が付いてバックアップは万全です。
「全体がまぁるくなるように」「アルストロメリアは枝ごとに切って」「花はまんべんなく入るように」などとアドバイスする城倉さんの言葉を耳にしながら、子どもたちがそれぞれの作品を仕上げていきます。20分ほどで完成。全員そろって記念写真も撮りました。
子どもたちは「スポンジに(花を)挿すところが難しかった」「花を選んで挿すところが面白かった」「難しそうに見えたが、きれいな形になって楽しかった」などと感想を語ってくれました。 準備を含めて1回1時間、3回転してショーに合わせて開いた「教室」は終わりました。
大人向けを含めて1年に10回ほどアレンジメント教室を指導する城倉さんは「小学生は思わぬ発想で個性が出て面白い」と語っていました。各机に分かれて子どもたちの作業に寄り添った若手生産者グループは、花の持ち込みからビニールを敷く会場準備などフル回転。教室だけでなくフラワーショーの運営を支え、今年から「長野県花き青年部」として正式に旗揚げしました。代表に就いた大平篤史さん(JAみなみ信州)は「個性に富んだ子どもたちの作品作りを間近に見ることができて楽しかった」と振り返り、「自身、花農家だが、花に触れる機会は案外ない。教室参加をきっかけに家庭でも身近に花を置いてほしい」と産地でも花のある日常の広がりを期待していました。
冬と夏、1年に2回開く「信州フラワーショー」は、県内の生産者が日頃の成果をアピールする一大イベント。品評会に出品された花きを含め、一般公開で展示した花きの販売もするため、多くのファンが集まります。
こちらは 2019.03.26 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
昭和人Ⅱ
関連記事
大地と人が育む「花産地長野」誕生秘話に迫る
ひと足早い春気分♪信州の花ウィンターセレクション
ありがとう!を花束で。アルストロメリアの産地・上伊那
約100種の彩り豊かなアルストロメリア
新着記事
ラディッシュの漬物サラダ
安曇野の畑から生まれるりんごを追いかけて~流通現場編~
粒がハート型!? その名は「マイハート」
いちじくのデザート