果樹園も、直売所の果物コーナーも、いよいよにぎやかになってまいりました。訪れるたびにさまざまな品種が色とりどりに並んでいます。 長野県北部の中野市では、いまが旬の大きなスモモ「サマーエンジェル」の収穫・出荷が始まりました。
千曲川沿いの肥沃な土地にリンゴやモモの畑が広がる北信濃
訪れたのは千曲川(信濃川)沿いに果樹園が広がる中野市上今井地区。農協の技術指導員から専業農家になって15年目の藤田清隆さんの畑におじゃましました。藤田さんは、全国各地を飛びまわって果樹栽培の技術を学んだのち、実家の果樹農家へ。現在、JAながの みゆき スモモ部会長を務めながら、スモモ、モモ、リンゴをそれぞれ数種類ずつ栽培しています。
サマーエンジェルは長野県の隣の山梨県で開発されました。「ソルダム」と「ケルシー」という品種を配合・選抜して生まれた品種です。大きなものは大人のこぶしほど。黄色と紅色のグラデーションが美しいスモモです。
ひとつの樹でも個体によって収穫時期がさまざまなので、こまめに収穫していかなければいけません。さらに今年は例年より陽射しが強く、雨が極端に少ないため、「色づきは良いほうではないんです」と藤田さん。いえいえ、黄と赤と赤紫を塗り重ねた深みのある外皮は、とっても美しい、と思いましたよ。手間がかかり、苦労も多いと思いますが、そのぶん味が良く見た目も良く、食べた人を感動させてくれるに違いありません。
「まあ、まずは食べてみてください」と藤田さんにすすめていただきました。いそいそと持参したナイフを取り出し、切れ目を入れた瞬間から透明な果汁がポタポタポタ......。そのみずみずしさに驚きました。くぼみに沿ってグルっと切れ目を入れ、手でそっと包んでひねると種がはずれます。パカっと開くと、透明感のある黄色い果肉が西日にキラキラ輝きます。藤田さんと半分こして、「いただきます!」、皮ごとガブッといきました。
すっぱくて、甘くて、やっぱりうまいっ! 果肉の食感も色もしっかりしているので、生でスイーツのトッピングにしても映えるし、白ワインなどでシロップ煮にしても、きっとおいしいはずです。
味見させていただいたのは小鳥がつついたもの。皮はすっぱく果肉は甘い。美味!
サマーエンジェルは栽培本数が少なく、収穫に手間がかかることなどから、地元でもなかなかお目にかかれないスモモです。サマーエンジェル歴10年目の藤田さんは、3本しか栽培していませんでした。地元の直売所にもあるかどうかわからない......。
色づきをよくするため、今年は特別に反射シートを樹の下に敷いている
藤田さんに聞いてみました。 「全国のみなさんに食べてもらうには、どうしたらいいでしょう?」 すると、「JAながの みゆき果実共選所で聞いてみてください」とのこと。 藤田さんにお礼をして、畑から5分の共選所へ。収穫したてのスモモやプルーンが次々と届くなか、サマーエンジェルの購入方法を教えていただきました。
JAながの みゆき果実共選所へ、電話(0269-38-2025)またはFAX(0269-38-2422)にてお問い合わせください。果樹園直送のおいしさを全国各地へお届けします。 サマーエンジェルの注文期間は、2018年は8月5日ごろまで。それ以降は、「太陽」という紫色のスモモや白桃が注文できますよ。 「サマーエンジェル」の美しい色とおいしさは、一度食べたら忘れられません。もちろん、疲労回復効果が期待される有機酸や食物繊維、カリウムといった成分も含まれているのがうれしいですね。 生産量が限られており、旬も短いので、気になった方はお早めにどうぞ。 午後4時とはいえ30度を超えるなかでの取材は体力勝負でしたが、台風にも酷暑にも水不足にも負けず、いきいきと情熱を持って果樹栽培に取り組んでいる藤田さんに、たくさん元気をいただきました。ありがとうございました!
こちらは 2018.07.31 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
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