秋といえば栗、栗といえば秋。長野県では、北は小布施町、南は飯島町が栗の名産地となっています。
今回訪れた飯島町の「一般社団法人 月誉平(つきよだいら)栗の里」では、栽培技術の高さから、小布施町の栗生産者も剪定を教わりに来るほど、栗の栽培に長けています。そんな、飯島町を中心に栽培している「信州伊那栗」のおいしさに迫ります。
今回、取材協力していただいたのは、「一般社団法人 月誉平(つきよだいら)栗の里」代表理事会長の平澤晃さん。平澤さんは「環境に優しく、安心、安全、農地を守ろう」をモットーに、栗の栽培に努めています。月誉平地区は戦前、食糧危機に陥った際に開墾され、一部は水田や畑として利用されてきました。近年、生産調整や野菜等栽培の減少・有害獣の多発などにより、一部不作付けとなり、荒廃化が懸念されていました。
「このまま山に戻していいのか?」と平澤さんが発起人となり、「月誉平の農地を守ろう」と有志45名で、平成23(2011)年から栗の栽培が開始されました。「栗の栽培には土壌作りが大切」と語る平澤さん。月誉平は山頂に位置しているため、水源がなく、栗の栽培に使用できるのは雨水のみ、という過酷な環境にあります。しかし、保水力のある赤土の酸性土壌で、水はけは良く、栗の栽培にとても適しています。
栗は収穫時期になると、イガが開き、栗が落下します。中にはイガごと落下するものがあり、両足でイガを剥き、手でら栗を取り出します。
だから「栗狩り」ではなく「栗拾い」と呼ばれるんですね。
栗は「鮮度が命」なため、雨の日も収穫をして、すぐ集荷場に運びます。
集荷場では、採れたての栗が運ばれてきます。収穫時に土や草が付着しているため、一度洗います。水分をふき取りながら、傷や熟れ具合、サイズによって選別されていきます。
平澤さんおすすめの調理方法は、栗の「座」といって下部の色が薄いところに切れ込みを入れ、素揚げにする天ぷらだそうです。ぜひ、お試しください♪
月誉平の栗は、主にJA上伊那の選果場や、同町の「信州里の菓工房」へ出荷されます。そして伊那地域で採れた栗を使ったモンブランや栗きんとんが、期間限定で販売されています。
「みんなで協力して地域活性化をしています。日本で一番おいしい栗ができるのはここだと、全国に向けて発信していきたい」と語る平澤さん。
「信州伊那栗」を皆さんもぜひ、味わってみてください!
【お問合せ先】■ 一般社団法人 月誉平 栗の里長野県上伊那郡飯島町田切2188TEL 0265-86-3546■ JA上伊那 飯島果実選果場長野県上伊那郡飯島町飯島上の原2742-1TEL 0265-86-6688■ 信州里の菓工房長野県上伊那郡飯島町七久保2513-2TEL 0265-86-8730FAX 0265-86-8731JA上伊那
こちらは 2017.09.19 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
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