秋の味覚の代名詞"栗"。長野県の栗といえば小布施町と飯島町が名産地として有名で、その知名度から「栗の町は北の小布施・南の飯島」とも呼ばれています。今回は、南信エリアに位置する飯島町の栗「伊那栗」の紹介です。
やってきたのは、飯島町。天竜川を起点に2つのアルプスが両岸に広がる自然豊かなこの町では、栗の一大産地を目指し、平成15年から本格的に栗の生産に取り組み始めています。栗はナッツ系の1つと位置づけられていますが、脂質の多いナッツ系とは異なり、でんぷんが多くヘルシー、そのうえミネラルも豊富で上品な味わいを生み出します
まだ未熟な青いイガの栗
こちらは収穫目前
栗は、ほかの農産物と異なり摘果は行いません。実を大きくするには、剪定がそのカギを握ります。栗の実は、はじめは緑色のイガに包まれており、日が経つにつれ少しずつ茶色に変わり、熟すにつれて実も外に顔を出してきます。その後、収穫の時期になると栗は自ら木から落ちて「今が食べ頃だよ」と私たちに知らせてくれます。
落ちた=熟成した栗だけを拾う
栗のイガは、栗が動物から身を守るために進化してできたものだと言われています。一般的に1つのイガに3つの実が入っており、1つの実は約20グラムあると言われています。栗拾いを実際にやってみると、とげとげのイガは素手ではまともに掴めません。1本のトゲをつまんで拾おうとしてみてもトゲの長さがほぼ均一なので掴めませんでした。
生産者の矢沢敏美さん
今回、取材協力してくれたのは矢沢敏美さん。矢沢さんは定年後に栗の生産を始め、今年で12年目を迎えます。「ほかの農産物に比べると、栗の生産は比較的簡単だと思う」と話す矢沢さん。ご自宅では、むきぐりにしたり、そのまま茹でで二つに割ってスプーンで実を食べたりしているそうですよ。
信州里の菓工房
続いてやってきたのは信州里の菓工房。ここでは、JAと連携しながら、矢沢さんをはじめとする農家の皆さんが作った「伊那栗」を使って、モンブランや栗きんとんなどの素材の良さを生かしたお菓子を作っています。
洗った栗
機械だけに頼らず、人の目と手でしっかり選別
ここではまず、きれいに洗った栗に圧力をかけて蒸した栗にします。それを機械でカットし、職員が選別を行います。皮と身をしっかりと分け、機械でもう一度選別を行った後、さらに職員が選別を行います。
7割が栗でできている「できたてモンブラン」
ここでのおススメ商品はなんといっても「できたてモンブラン」です。通常のモンブランの栗の量は、モンブランの重さの3割から4割しかありません。しかしながら、ここのお店のモンブランは、なんと重さの7割が栗なんです。通常のモンブランは発送できるものの、この「できたてモンブラン」は、栗の比率が高い分日持ちが悪くネット予約は扱っていません。まさにお店に来た人しか食べられない絶品のごちそうです。※11月30日までの限定商品
甘さひかえめで栗の風味を生かした「栗きんとん」
また、素材の味をふんだんに生かした栗きんとんも工房自慢の一品です。近年の市場では海外産の栗がほとんどの中、地元産の栗100%の栗菓子はめったにありません。
自然豊かな環境と作り手の誠実さが作る「長野県の栗」。皆さんもぜひ食べてみてください。
■問い合わせ先信州里の菓工房TEL 0265-86-8730
こちらは 2015.10.13 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
あぐり君
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