インディアンが大昔から食・薬用としていた「幻のイモ」とも称されるアピオス。 北米原産のマメ科の多年草で、ミネラルバランスがよく、カルシウムや鉄分が豊富に含まれる栄養満点の植物です。2016年8月17日の記事でアピオスの花についてお伝えしましたが、11月中旬から収穫時期を迎えていると聞き、前回取材した佐藤勝司さんの畑に再び行ってきました。
11月中旬の様子。ツルは枯れて撤去され、アピオスは土中に
鬱蒼と葉が生い茂り、ピンク色の花を咲かせていた夏の光景とは一変して、畑には何も見えません。よーーーく見ると、所々にツルがのぞいています。収穫期を迎える前にツルは枯れ、栄養はたっぷりとイモに蓄積しています。イモを傷つけないよう、ツルを頼りにそっとスコップを入れて掘り出します。生命力が強いアピオスは、隣の畝まで侵入して根を這うこともあるので、どこに向かって伸びているか予想しながら掘ります。大きいイモが付いたもの、根が長いもの、いろいろなサイズのアピオスが掘り出されます。
支柱と地面からのぞいているツルを目安に掘り起こしますが、素人目にはどこに埋まっているのか分かりません...
「あっ、こんなほうにまで根が続いている」「おっきいイモがついてるなぁ~」と佐藤さん、まるで宝探しをしているように夢中になってしまいます。土の中に入れておけば、春まで置いておくことができるので、出荷する分だけ少しずつ掘り起こします。
掘り起こした土をほぐして、アピオスを取り出す
約1.5mも根を伸ばしたアピオス。佐藤さんも「こんなに長いのは初めて!」と驚く
種芋から数本の根を伸ばし、たくさん実をつけています
佐藤さんがアピオスの栽培をはじめたのは、日本農業新聞で県北部の豊野地区で生産している方の記事を見たことがきっかけでした。土地を選ばず、消毒もいらないため、労力をあまりかけずに栽培できることに魅力を感じ、その生産者の方に種芋をもらい栽培をスタートしました。現在は、150㎡の畑で約100kgを収穫しています。11月中旬から春先にかけて少しずつ収穫し、直売所やお店に出荷しています。「産地化していけたら」と語る佐藤さんは、種芋と栽培方法をまとめたものを地元の仲間に配るなどして生産振興にも努めています。
情報収集に熱心な佐藤さん。アピオスの記事は見逃しません
茹でたアピオス。マヨネーズをつけて食べるとおいしい!
アピオスは皮ごと食べられるので、調理はとっても簡単です。基本的には、洗って皮ごと3分間くらい蒸すか茹でれば食べられます。大きいものは茹でてマヨネーズをつけて、小さいものは素揚げにして塩コショウをすれば、おやつやおつまみにぴったり! 手が止まらなくなります。なおかつ、栄養満点なのですから嬉しいですね。大きい芋は、スライスして天ぷらにしてもおいしいそうです。
佐藤さんの奥様がつくってくださった、素揚げにして塩コショウをふったもの
アピオスの味は「ジャガイモとサツマイモをあわせた感じ」とか、「栗っぽい」とかいわれていますが、癖がないので色々なお料理に合います。佐藤さんのおうちでは、味噌汁に入れて健康のためによく食べているそうです。 まだ希少なアピオス、幸運にも見かけたらぜひご賞味ください。
<佐藤さんのアピオスを置いている直売所> ■A・コープファーマーズ南長野店 住所:長野市篠ノ井杵淵大門西472-2 電話:026-214-8877 ■A・コープ松代店地物直売会 住所: 長野市松代町西寺尾1450 電話:026-290-6655 ■小島田農産物直売所「おいでや小島田」 住所:長野市小島田町1022 (JAグリーン長野小島田ふれあいセンター1F) 営業日時:毎週土曜日8:00~15:00
こちらは 2016.12.06 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
ピーチちゃん
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