果物

冬春が旬の新りんご!知る人ぞ知る「ピンクレディーⓇ」

ピンクレディ

 

みなさ~ん! 今季も信州りんごをたくさん味わっていただけましたか?

ちなみに、さんさ・サンつがる・シナノピッコロ・秋映・シナノスイート・あいかの香り・シナノゴールド・サンふじ……。これは今季、編集部員が食べたりんごの品種で、その時々に旬のものをいただくことができました♪

さて、今はもう2月下旬。りんご畑には葉も実も当然ありません。それなのになぜ「りんご」の話? と思われた方。じつは「今が旬」と呼ばれる「りんご」があったんです!

その名も「ピンクレディー」。名前もインパクト大で、かなり気になりますよね~。今回は知る人ぞ知る「ピンクレディー」のお話(ここまで読んで「UFO」「サウスポー」という単語が浮かんだ方、編集部員と同じ世代です……)。

品種リレーの最後尾を彩るキュートなりんご

ピンクレディ

 

訪れたのは長野県のほぼ中央にある安曇野市。3,000m級の北アルプス連峰をバックに、その伏流水と内陸性気候も相まって、美しい田園風景が広がっています。もちろん、今の時期は青空と雪のコントラストがとっても"びゅーてふぉー"!

米・わさび・信州サーモンなどの特産品が有名ですが、「りんご」の一大産地でもあります。日照時間が長く降水量が少ないことから、果肉がぎゅっと引き締まった甘~いりんごが、8月から11月下旬まで品種リレーで楽しめます。

生産者の中村隆宣さんに「ピンクレディー」の畑を案内してもらいました。雪の中、スッキリと剪定されたりんごの木が静かに立ち並んでいました。

ところが、すぐ隣の選果場から甘酸っぱくてとても良い香りがしてきました。そこで見たのは、真っ赤なりんごを重さごとに自動仕分けしている光景。「え~、今から出荷ですか!」と驚きを隠せません。さらに大きくて分厚い扉を開けると、上から下までびっしり積み上げられたケースが……。「ピンクレディー」貯蔵庫です。

一歩足を踏み入れると、「あっ、中のほうがあったかい♪」と喜ぶ編集部員に「ここは常に3℃に保たれているからね」と中村さん。取材当日は晴天でしたが、最低気温-7℃、最高気温4℃でした。

ピンクレディ果実の重さで自動的に選別できる機械

ピンクレディ

ピンクレディはロゴもかわいい

ピンクレディ

朝イチから続々と軽トラ到着

見た目も味も、日持ちの良さも飛び抜けてます!

ピンクレディ表面のでこぼこが品種の特徴でもあるピンクレディーⓇ

ピンクレディを手に取ると、まず印象的なのは色・艶・形! つやつやと真っ赤なほっぺ、120~180gという軽さ、そして、ちょっと凸凹したそのフォルム。ポケットサイズとはこのことで「かわいい~~☆」と柄にもない声を上げる編集部員。

中村さんは「見た目も独特でしょ。でも、この品種の最大の特徴は、もぎたては酸味が強い、ということ。そして貯蔵性が高く日持ちすること。収穫は11月だけど、一定の低温で1、2カ月保管して、酸味が少し抜けてからが食べ頃なんだよ。そう、今が旬ってこと。冷蔵庫などの涼しいところで保存すれば5、6月まで美味しく食べられる」と続けます。

では、ひと口!「あ~ぁ、さわやか」のひと言ですね♪

ふわっとひろがる香りも良く、ほどよい酸味がたまりません。なにより、この時期にして、シャッキシャキの歯ごたえは驚きです。さらに、5、6月までこの食感が保たれるというから「びっくりぽん」ではありませんか。

豪州からやってきたブランドりんご
日本国内生産者36名、定植本数6,630本のみ!

ピンクレディピンクレディーⓇ専用出荷箱のピンク色に染まる三郷地域営農センター

もっと驚くことなかれ。聞けば中村さんは、試験場以外で(商用として)、日本で初めて「ピンクレディー」を育てた方で、日本ピンクレディ協会会長だったのです。

もともとオーストラリアの西オーストラリア州にある園芸試験場で育成されたりんごで、品種名は「Cripps Pink」。生みの親「Mr.John Cripps」の名前から始まったブランドだそうです。1973年から育種選抜の結果、「Pink Lady」物語が始まりました。ちなみに「ピンクレディー」とは、生みの親であるJohnさんの好きなカクテルの名前をとって呼ばれたとか。

ピンクレディ

日本初導入のピンクレディの木

ピンクレディ

まだ若い定植5年の木

そんな「ピンクレディー」と中村会長との出会いは、十数年前のアメリカ。そして、10年前の2006年に、日本での生産・販売ライセンスを取得し、会長の呼びかけにこたえた生産者10人がまず、一人100本ずつの栽培を始めたそうです。

じつは、このりんごは「クラブ制」なんです。協会の内容に賛同し、世界共通の厳しい規格をクリアすることでその名を手にすることができる(ライセンスを取得できる)というもの。

先駆者である中村会長の影響もあり、2014年度の日本国内生産者36名、定植本数6,630本のうち、長野県は27名、定植本数5,730本と圧倒的な生産シェアを占めています。もちろん中村会長自身もどんどん本数を増やし、今では17haの畑で1,800本を定植しています。

「ピンクレディ」でLOVE&PEACE☆

ピンクレディピンクレディーⓇとの出会いから導入時について語る中村会長

最高のりんごのために生産者同士の情報交換や切磋琢磨で常に技術を磨く。そんな生産者の努力が見えるクラブ制のりんご「ピンクレディー」は「これからの品種」と、中村会長は言います。「新しい品種の登場でりんごの新しい魅力を知ってもらい、もっとりんご全体を好きになってほしい」とも。「ピンクレディ愛」にあふれた中村会長は「りんご愛」にもあふれていたのでした。

「ピンクレディ~っ♪ かっわいいな~♪ ピンクレディ~」ここで、ご自慢のギターにのせて、ミニライブがスタート! な・な・なんとピンクレディーのテーマ曲があるんです。

しかも、中村会長の作詞・作曲で、世界に発信したいと英語versionも完璧です。一度聞いただけで耳に残る軽快なリズムと覚えやすいその歌詞は、帰路につく編集部員の車内で鼻歌として登場し、数日たっても口ずさんでいたことはヒミツです。CDのお問い合わせは中村会長まで。

ピンクレディ

「ピンクレディーの詩 SONGS」を歌う中村会長

ピンクレディ

ほんのりピンク色のピンクレディージャムも

 

日本ピンクレディー協会
代表理事 中村隆宣
住所 長野県安曇野市三郷2280-3
TEL 090-3585-1539

こちらは の記事です。
農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

この記事を書いた人

まちゃ

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