牛から搾られる生乳は、牛乳・バター・ヨーグルトといった乳製品のほか、繊維・化粧品・クリームなどにも使われており、人々の「食」と「暮らし」の中において、なくてはならない"かけがえのないもの"となっています。 今回、取材するのは、そんな生乳を固めて発酵させる「チーズ」です。意外と知らないチーズの話、ぜひ読んでみてください。
やってきたのは県東部に位置する東御市新張の「アトリエ・ド・フロマージュ」。 このお店では、2015年にフランスで開催した「国際ナチュラルチーズコンテスト」で最高賞であるスーパーゴールドを受賞した「ブルーチーズ」をはじめ、約20種類のチーズが販売されています。また、標高900m前後の場所にある東御市の販売店舗からは、天気が晴れていれば蓼科山や富士山が見えるそうです。
農林水産省「平成26年度チーズ需給表」によると、チーズの消費量は年々増加傾向にあり、現在は29万7,562トンとなっている一方で、国産ナチュラルチーズの生産量は、前年度よりも約2,000トン下回る4万6,160トン、チーズの総消費量に占める国産の割合は16.4%となっています。※プロセスチーズの国内生産量の数字は省略
ブルーチーズ・カマンベール・モッツアレラチーズなど、「チーズ」と一言でいっても、その種類は多岐に及びます。アトリエ・ド・フロマージュでは、年間260トン前後の生乳を使用してチーズを製造します。
チーズの製造は種類に応じてそれぞれ製造過程が異なりますが、以下の作業は、どのチーズの製造過程でも共通する基本作業です。
【基本作業】 (1) 生乳を加熱殺菌する (2) 冷却し、固めるためにレンネット(酵素剤)を投入する (3) カッティング (4) 型に入れる (5) 水分を抜く(チーズの種類に応じて水分の抜き加減を調整する)
【カビの付け方(青カビの場合)】 (1) (4)の作業の前に、青カビを投入する (2) チーズに穴を開ける(チーズに空気が入り、青カビが繁殖する) (3) アルミを巻き空気を遮断する
自家製チーズや乳製品が並ぶアトリエ・ド・フロマージュ本店
家庭でもできるチーズの作り方を、「アトリエ・ド・フロマージュ」チーズ工房の塩川和史チーフからお聞きしました。
ーー家でもチーズを作れますか? 「一般的には、加熱した牛乳に酸を加え、ガーゼ等を敷いた"ざる"で水気を切って冷蔵すればすぐにできます。ほかにも、市販で販売しているヨーグルトをガーゼ等で敷いた"ざる"で脱水して、一晩ほど寝かせれば簡単にフロマージュ・フレに似たものはできます」
ーーオススメの食べ方は? 「私の場合は、モッツアレラチーズに自分の好みの味噌をつけて食べるのが好きです。お酒のおつまみには最高だと思います」
皆さんもご家庭で試してみてはいかがですか?
本店併設のカフェでは、焼きチーズカレーやピザ、チーズケーキなどが味わえる
■問合せ アトリエ・ド・フロマージュ 長野県東御市新張504-6 TEL 0268-64-2888
こちらは 2016.02.16 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
関連記事
ヨーグルト・ファクトリーの秘密を見つけに
学生のアイディアキラリ☆マジうま!牛乳・乳製品レシピ
これからも「牛乳」を、よろしくお願いいたします
「信州の産地がみえる牛乳」です!!
新着記事
ラディッシュの漬物サラダ
安曇野の畑から生まれるりんごを追いかけて~流通現場編~
粒がハート型!? その名は「マイハート」
いちじくのデザート