さて、今回は長野県のオリジナルブランド鶏「信州福味鶏」のお話です。 信州福味鳥は、その肉質のやわらかさに加え、通常の鶏肉よりも低カロリーで高タンパクであることが特徴です。近年、長野県内を中心に少しずつその知名度も上昇中。そんな信州福味鶏のおいしさの秘密は、「エサ」と「信州の大自然」にありました。
やってきたのは、県東部に位置する長和町。 信州福味鶏の生産農場は、長野県内で約15農場ありますが、今回取材協力してくれた長和農場は、その中でも規模が大きく、約4万7,000羽の信州福味鶏を生産しています。
信州福味鶏の特徴は、なんといっても肉質がやわらかいことに加えて、低カロリーで高タンパクであることですが、その特徴を生み出すためには生産者の様々な工夫があるんです。
(1) 栄養価の高いエサを使用 鶏には、さまざまな穀物や動物性の原料を混ぜ合わせた配合飼料を与えるのが一般的ですが、信州福味鶏は、ミネラルやビタミンが豊富で栄養価の高いマイロを主とした飼料を使用しています。これにより低脂質で高タンパクな鶏肉が生まれるとともに、白色の強い、綺麗な色味になるんです。
(2) 臭みを消すために天然の糖をエサに投入 鶏肉嫌いの人の理由の1つに鶏肉特有の匂いがよく挙げられています。 信州福味鶏では、天然の糖「トレハロース」を飼料に投入し、脂質の酸化を防止することで、その匂いを抑制しています。
(3) 信州の大自然で育てることでストレスを抑制 鶏にできるだけストレスを与えない。良質な肉質にするためにはこれがなにより大切です。大自然に囲まれた信州は、空気が綺麗で鶏にストレスを与えにくい環境下にあるんです。
今回、取材協力してくれたのは長和農場柳澤慎也さん(右)と六川智晴さん(左)。 5万羽弱の信州福味鶏がいる中でも「体調が悪い鶏がいたらすぐに分かります」と、キッパリ話します
長和農場では、5つの鶏舎で1棟あたり約9,400羽を収容しています。 鶏は、ひよこの状態から約50日程度で出荷できるほどの大きな鶏へと変わります(一般的には、50日で約3キロくらいになると言われています)。 また、温度管理も非常に重要で、ひよこの時は約30℃の状態を保ちますが、大きくなるにつれて少しずつ温度を下げていき、3キロ弱の状態では14℃~15℃程度の状態を保つのが一番ベストと言われています。
ここから水を飲み
ここからエサを食べる
近年、知名度が少しずつ上がってきたこともあり、県内では信州福味鶏を使用する店が増えてきています。 今年は信州福味鶏を食べて福を呼び込みましょう!
「信州産福味鶏の鶏鍋」 店舗名:NIHON BAR 靜屋(長野市)
「福味鶏のローストチキン」 店舗名:ピザ&ワイン酒場 Scirocco(シロッコ)(長野市)
■販売に関する問合せ 長野県農協直販株式会社「信州福味鶏」
こちらは 2016.01.05 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
あぐり君
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