野菜

健康野菜で元気な町づくり!八ヶ岳山麓の真っ赤なルバーブ

赤いルバーブ

ルバーブ生産者の河角幸郎さん・リエ子さん

「ルバーブ」をご存知でしょうか? 健康志向の方の間では随分前から人気が高まっていますが、最近では百貨店やスーパーでも見かけるようになりました。ルバーブは、シベリア原産の多年草でタデ科の植物です。ふきに似た容姿をしていて、茎の部分が食用になります。欧米では、ジャムやお菓子、肉料理のソースなどに広く一般的に使われています。

希少なルバーブで注目を集める富士見町

赤いルバーブ

一見、硬そうに見える茎ですが、熱を加えるとすぐにやわらかくなってフルーティーな酸味があり、食物繊維、カリウム、アントシアニンなどが豊富で、健康食品としても注目されています。でも、せっかく健康にもうれしい食材なのに、砂糖をたっぷり入れたジャムのレシピしか知らない・・・。そんな声をお聞きして、ルバーブのおいしい食べ方を探しに、ルバーブで町おこしを行っている富士見町を訪ねました。
長野県の南東にある富士見町は、山梨県との県境に位置しており、東に八ヶ岳、西に南アルプス、北に中央アルプス・北アルプス、そして南に富士山と日本有数の山々に囲まれています。標高700m~1400mの冷涼な気候を利用して、昔から野菜や花などの農業が盛んな地域です。この気候が、一般的な青ルバーブより栽培が難しいと言われている赤ルバーブにも適しており、年間25t以上を生産する日本一の産地になりました。

赤いルバーブ

富士見町ルバーブ生産組合のみなさん

長寿県長野ならでは!畑仕事の楽しみ

赤いルバーブ

茎の根元を折って収穫

赤いルバーブ

河角幸朗さん・リエ子さん

どのような環境で「ルバーブ」は生育されているのでしょうか? 富士見町松目地区でルバーブを栽培する河角幸朗さん(80)・リエ子さん(76)の畑では、ルバーブが大きく葉を広げていました。
松目地区は毎朝霧に覆われるため水をまく必要がなく、西日に当たらないので、ルバーブ栽培にとっても適した地形です。たっぷりの日差しと爽やかな空気に包まれて、ルバーブたちも何だか気持ちよさそうです。

赤いルバーブ

大きく生長する株(5~6年経ったら株分けする)

なんと、1株はこんなに大きいです。葉の方まで茎が赤く色づいてきたら獲りごろ、根元の近くの茎を手で折って収穫します。いつも夫婦二人で作業をしているそうです。収穫したルバーブは、きれいに洗って長さや量をそろえて、出荷袋に入れて・・・と、出荷までの手間を考えたら収入は多くありません。それでも、年金+αで得た収入でお孫さんのお祝いやお小遣いにするのが楽しみだそうです。ルバーブ農家として専業で生計を立てるのはなかなか難しいようですが、高齢になっても作業できるのがルバーブ栽培の魅力でもあります。

赤いルバーブ

出荷準備。収穫したルバーブを洗い、1本ずつ丁寧に拭きとる

赤いルバーブ

河角さん夫妻がお茶菓子に出してくれた、ルバーブを甘く煮て凍らせたもの

20150805rhubarb10.jpg樋口十四江さん(87)も現役でルバーブを生産しています。昔は菊を生産する花農家でしたが、高齢になってルバーブへと切り替えました。毎日朝6時頃から作業しています。集荷所に持っていくのは難しいので集荷に来てもらっていますが、それ以外の作業は全部十四江さんが行っているそうです。ルバーブ栽培の魅力をお聞きすると、「ボケないようにやっているの!」。お金より健康づくりのために、毎日畑に出ているそうです。

日本一の長寿県である長野県(平成22年国勢調査)ですが、山間部では高齢化が進んでいます。年齢を重ねても元気に畑仕事をする方々によって、赤いルバーブは生産されています。富士見町のルバーブは、5月末~10月末の霜が降りるころまで収穫が続きます。

真っ赤なルバーブでヘルシーメニュー&町おこし

赤いルバーブ

「やわらか鶏モモのルバーブカレー」

赤いルバーブ

「ルバーブカレー(高原野菜のせ)」

20150805rhubarb14.jpgさて、お待たせしました! ジャムだけではない、ルバーブのおいしい食べ方をご紹介します。富士見パノラマリゾートの食堂では、「ルバーブカレー」と「ルバーブソフト」を提供しています。ルバーブカレーには、「高原野菜のせ」と大きな鶏モモがドーンとのった「やわらか鶏モモ」の2種類があります。ルバーブのペーストが混ぜ込んであるそうですが、微かに酸味を感じるようなスパイシーなチキンカレーです。一方のルバーブソフトは、カシスのようなベリー系の甘酸っぱさと爽やかな味わいが楽しめます。これらのメニューでは、富士見パノラマリゾートの自家農園で栽培されたルバーブを使用しています。

赤いルバーブ

ルバーブレシピコンテスト2014の応募レシピで作ったルバーブ料理

なかなか富士見町まで食べに行くのは・・・という方のために、ご家庭でできる簡単な食べ方もご紹介します。教えていただいたのは、富士見町ルバーブ生産組合のみなさんです。昨年初めて「ルバーブレシピコンテスト」を開催したところ、生産者でも知らなかったいろいろなレシピが集まったそうです。その中から、とっても簡単なレシピ「おにぎり」を教えていただきました。ルバーブは甘いソースやジャムにして洋菓子に使うイメージが強いですが、浅漬けのように塩をまぶしてみたら、とてもおいしかったんだとか。見た目はまるで梅のおにぎりのようですが、その味はいかに!? ぜひ、ご家庭でお試しください♪

赤いルバーブ

赤いルバーブの塩漬けおにぎり

材料 ルバーブ 200g
塩 16g~20g
ご飯 お好みの量
黒ゴマ 適量
のり 適量
ルバーブ塩漬けの作り方 1.ルバーブを洗い、1cm程度に切って鍋に入れる。   2.(1)のルバーブに塩を混ぜて、2時間以上置く。   3.鍋からルバーブを取り出し、出てきた水分(塩水)だけを煮立てる(水分が少ない場合は、電子レンジで煮立ててください)。   4.火を止めてから、取り出したルバーブを戻す。   5.冷めたら保存容器に入れる。
おにぎりの作り方 1.水分を切った「ルバーブの塩漬け」(一人分で大さじ1杯)と黒ゴマをご飯によく混ぜ込んで、おにぎりにする。   2.のりを巻いてできあがり。

その他のレシピについては、富士見町ルバーブ生産組合のホームページをご覧ください。赤いルバーブの購入については、富士見町内の直売所のほか富士見町ルバーブ生産組合のホームページからもご購入いただけます。

赤いルバーブ

富士見町ルバーブ生産組合で出荷している「赤いルバーブ」

  • ●ルバーブ料理が食べられるお店
  • 富士見パノラマリゾート
  • 住所 長野県諏訪郡富士見町富士見6666-703
  • 電話 0266-62-5666
  • 営業時間 平日11:00~14:30、土・日曜、祝日10:30~15:00
  • 定休日 なし

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農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

この記事を書いた人

ピーチちゃん

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