赤と黄の鮮やかな色味が並ぶこの写真。この写真に写っているカラーピーマンの名称を「パプリカ」と答える方がほとんどだと思いますが、これは「ガブリエル」というカラーピーマンで、フルーツ級の糖度の高さを誇ります。今回は、そんな希少性の高い幻のカラーピーマン「ガブリエル」についてご紹介します。
珍しいカラーピーマン「ガブリエル」を生産している農家さんがいると聞きつけ、やってきたのは下伊那郡松川町。この町は東西に細長いのが特徴で、東は伊那山地、西は木曽山脈に囲まれ、町の中央を天竜川が縦断する自然豊かな土地です。
ガブリエルは、7月上旬から11月下旬までが収穫時期で、花が咲いて約60日後が収穫のタイミングと言われています。栽培には気温を24℃~26℃の間で維持しなければならないため、気温対策に特に気を使う品目だとか。
左:パプリカ 右:ガブリエル
ガブリエルの特徴はなんといっても糖度の高さと長細い形にあります。 フルーツのような甘さがあるとも言われるガブリエルですが、その糖度は、ピーマンよりも糖度の高いパプリカ(6%~8%前後)のさらに上をいく8%~10%前後を誇り、「ピーマンは嫌いだけどガブリエルは美味しい」という子供もいるそうです。また、ガブリエルに含まれているビタミンCは、パプリカよりも20%前後多く、これはレモンの1.5倍〜2倍にあたります。
赤色と黄色のピーマンはそれぞれ種が異なり、花が咲いて約60日経過すると完熟になり、それぞれの色味が出てきますが、完熟前はどちらも緑色の状態から育っていきます。つまり、緑色のピーマンは緑色のピーマンではなく、色が出る前の完熟前のピーマンなんです。色味の変化も、黄色のピーマンは緑色からそのまま黄色に変わっていきますが、赤色のピーマンは一度、黒色に変わってから赤色に変わります。
真ん中のガブリエルはさらに黒くなったあと、赤色に
黄色はこのように傷がつきやすい
また、生産においては黄色のピーマンが一番難しいそうで、過剰な高温被害やカルシウム不足を引き起こしやすく、出荷する際には毎年必ず黄色のピーマンは緑色や赤色よりも数が少なくなってしまうそうです。
今回取材協力してくれたのは、グリーンオフィス宮下の宮下弘希さん。 宮下さんは、全農長野らが新しい新品種として開発したガブリエルの栽培に、「やってみたい!」と自ら手を挙げ、日本で初めて「ガブリエル」の生産に成功した「ミスターガブリエル」です。 「苦みがないので子供でも食べてもらえる。僕の子供たちもおいしいと食べてくれます」と話してくれました。
こちらは 2015.08.04 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
あぐり君
関連記事
ガブリエル、あなたはなぜガブリエルなの?
パプリカなら生でも食べられます
見れば元気が湧いてくるジューシーなパプリカ
まるで野菜の宝石!彩りいろいろミニトマト
新着記事
ラディッシュの漬物サラダ
安曇野の畑から生まれるりんごを追いかけて~流通現場編~
粒がハート型!? その名は「マイハート」
いちじくのデザート