秋冬になるとなぜか無性に恋しくなる香りや味ってありませんか? 今回は中でもイチオシのゴボウをご紹介します。噛みしめた時、口いっぱいに広がり、鼻に抜けるあの香り! たまりませんよね~♪
山形村に広がるスイカ畑と長芋畑
天高く馬肥ゆる秋。やってきたのは長野県のほぼ中央、松本市の南西に位置する山形村です。肥沃な田園地帯のそこかしこに見えるのは、収穫を終えたスイカ畑と色づき始めた長芋の葉。山形村の名産といえば、長芋やスイカを思い出される方も多いのでは? そんな長芋と深~いつながりがあるのがゴボウ。しかも、県内生産量の9割を占める産地なんですよ。
左手前が収穫直前のゴボウ畑(葉の刈り取り済み)、中央は冬までの収穫を待つゴボウ畑(葉付き)、奥は長芋畑
長芋畑のお隣りに大きな葉が。これがもしや・・・、ゴボウ??? そうです、このフキのようにも見える葉(アザミ科)で太陽をいっぱい浴び、根に養分を蓄えます。よく見ると葉もかなりの繊維質、まさにゴボウです。そのすぐ脇で、農機の大きな音を立てて収穫作業中の中川信隆さんにお話しを伺いました。
ゴボウの様子を見ながら収穫作業を進める中川さん
収穫の手順はスリーステップ。
(1) 葉の刈り取り ↓ (2) 機械で両側の土を圧縮し、深く根付いているゴボウの根を切り持ち上げる(掘り切り)
機械で両側の土を圧縮しゴボウを抜きやすくする
↓ (3) 手で引き抜く((2)の堀り切りのおかげで簡単にスッと抜ける)
「昔は手作業で両側の土を30cm程掘った後、引き抜いていた。引き抜くにも相当の力が必要で、腰も痛くなるし大変だったけど、今は楽だよ」と笑う中川さん。1m~1m30cmにもなる長くまっすぐなゴボウがずらりと並びます。この時すでに、土と共にあの香りが☆ 掘りたてのゴボウってこんなに芳醇な香りがするんですね♪
収穫したゴボウを持つ中川信隆さん
畑ですぐに茎(成長軸)を落とす
収穫後、すぐその場で、茎を切って成長点を止めることがポイント。これは新しい芽が出て養分をとられてしまうのを防ぐためのもの。ゴボウはまだまだ生きているんですね。スパッと手際よく茎切りをする中川さんの手元の包丁に、「なんともコンパクト、かつ機能的でカワイイかも」と思っていると、「あぁ、コレ、実は100均のパン切り包丁。使い勝手が良くってね(笑)」。愛用の一品は意外と身近にあるものですね。
掘りたてのゴボウ。見事なまでにまっすぐ
もともと長芋の後作として作られてきたゴボウ。長芋の養分や豊富な有機質を含む火山灰土で土もやわらかく、長芋同様、長くまっすぐ伸びていることが山形村のゴボウの特長です。「かなり太い物でもしっかり身が詰まっていて、しかも軟らかく、香り高く、味も良し、と三拍子揃ってます!」と中川さんも太鼓判を押します。
掘りたては手で洗うだけでかなり白くなる
キンピラや炊き込みご飯、煮物・鍋にと、毎日のようにゴボウを食べているという中川さん。「昨日は豚汁に。飽きないし体調もいいよ。肝臓の解毒作用にもアンチエイジングにも効果的」と続けます。地元の家庭では、薬膳としてゴボウ茶作りも行われているとのこと。よく洗って薄くそいだゴボウを天日干しにして作るそうです。「あと搾り汁もいいね。口内炎や胃痙攣にも効くし、肌もキレイになるよ☆」との中川さんの言葉に、編集部員の目が輝いたのは言うまでもありません。
JA松本ハイランド山形支所・女性部の皆さんに教えていただいたレシピはこちら。
JA松本ハイランド
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こちらは 2015.11.10 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
まちゃ
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