「きのこ王国」長野県。 えのきやブナシメジといったきのこ類の生産量は日本一を誇りますが、きのこ王国と呼ばれる所以は、生産量だけではなく、きのこの品種が数多く存在することにもありそうです。 今回は、そんなきのこの中でも「幻のキノコ」と呼ばれているヤマブシタケをご紹介します。
やってきたのは長野県千曲市にある信州きのこ工房「久保産業」。 久保産業では、健康効果が優れているとして評価の高かったヤマブシタケに注目し、2000年の秋から試験的にヤマブシタケの栽培をスタート。現在では、年間約30万トンの生産量を誇ります。
ヤマブシタケは、その生産量の少なさから、統計データでは「その他きのこ類」という分類に含まれており、実質的な生産量の程度は測定することはできませんが、JAちくま営農経済部の森きのこ販売課長は「全国的にヤマブシタケを栽培している企業が少ないので、生産量は久保産業がおそらく日本一だと思う」と話します。 また、ヤマブシタケは自然(山林)の中でも採取することができます。しかしながら、山林の中に生えると野生の動物たちがすぐに食べてしまい、自然の中から採取するのは困難を極めます。とくにシカの大好物だそうで、ヤマブシタケは別名「シカの玉」とも言われています。
ヤマブシタケは、ヘリセノン、エリナシン、食物繊維、ビタミンD等が豊富に含まれています。認知症、アルツハイマー病、アトピー、生活習慣病対策等に適していると期待され、きのこの中でも非常に優れた健康効果があると言われています。また、ヤマブシタケは栽培速度が速いことも特徴です。例えばブナシメジの回転日数の場合、110~120日間あることに対し、ヤマブシタケは30~33日間の回転日数という驚異的な速さでの栽培が可能なんです(生育日数が短いほど回転数は高まります)。
久保産業では、ヤマブシタケをそのまま食べるだけでなく、ヤマブシタケのお茶やそばといった加工品も販売しており、家庭でも気軽に味わえるよう取り組んでいます。
今回、取材協力してくれたのは信州きのこ工房「久保産業」の代表取締役の久保社長。 「高齢化社会が進行する中、ヤマブシタケの健康効果はより一層注目されていくと思います。料理も汁ものや鍋ものなどなんにでも合うのでぜひ食べてみてもらいたいです」と話してくれました。
そんなヤマブシタケが食べれるお店が千曲市にある、老舗料亭「柏屋」です。 千曲市にいらした際はぜひお立ち寄りください(事前予約が必要です)。
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こちらは 2015.06.02 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
あぐり君
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