フランス語で「小さな緑」を意味する一口サイズの野菜「プチヴェール」。 上品でほんのりとした甘味が特徴の野菜で、その形の可愛さ・色味は料理をオシャレに演出してくれます。 また、近年では青汁や野菜ジュースにも用いられており、シェフの世界ではもちろんのこと、その人気は一般の家庭でもジワジワと上昇しております。 今回は、そんな一口サイズのオシャレお野菜を紹介します。
やってきたのは、県南部に位置している伊那市富県。 ここ伊那市富県では、プチヴェールの特産化を目指して積極的に取り組んでおり、先月開催した「プチヴェール祭り」では、プチヴェールを管内直売所にズラ~っと並べ、プチヴェールを使用した料理を無料で振る舞いました。
伊那市富県
そもそもプチヴェールは、芽キャベツとケールを交配して生み出された新しい野菜です。プチヴェールには11~13%の糖度が含まれており、ほんのりとした甘味があるのが特徴です。ちなみにこの糖度は、イチゴやメロンと同じくらいの数値を誇ります。 また、プチヴェールにはカルシウム・ビタミンE・カロテンなどがたくさん含まれており、全体的な栄養バランスがとても良いのも魅力の1つなんです。なんでもカルシウムは牛乳の4倍、ビタミンEはほうれん草の2倍、カロテンはかぼちゃの6倍近くもあるのだとか。
外を覆っている大葉の中にプチヴェールがあります
プチヴェールは、7月から定植を始め、秋に芽が出て12月~3月にかけて収穫します。一般的には冬野菜として位置づけられていますが、実際は冬の早い段階で生育が止まります。しかしながら、プチヴェールは霜にあたるほど甘くなると言われており、生育が止まってもすぐには収穫されず、霜があたるまでじっと寒さを我慢します。
プチヴェールを収穫している様子
収穫した後は大きなワサビのよう
地元富県の皆さんは、写真にあるようなハム巻き・サラダ・寒天・天ぷら等の他にも、おひたしやシチューに加えたりと、たくさんの料理にプチヴェールを用いています。プロの料理人の間では比較的高値で取引されているそうで、こんなにもふんだんにプチヴェールを使用できるのは、生産地ならではの魅力ですね。
今回取材協力してくれたのは、農林産物直売所「たかずや」の埋橋一会長。 埋橋会長は、20年前からプチヴェールの生産に取り組んでいる大ベテランです。 「プチヴェールの場合、科学的な肥料を使いすぎると甘味が少なくなってしまうので、なるべく使用せずそのままの甘みを残すようにしている」とプチヴェールへの思いを話してくれました。一口で食べることができるその食べ心地・・・。ぜひ体験してみてください。
農林産物直売所「たかずや」の埋橋一会長
※「プチヴェール」は、(株)増田採種場の登録商標です。
■問い合わせ先 農林産物直売所「たかずや」 長野県伊那市富県7485 0265-74-5774
こちらは 2015.03.03 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
あぐり君
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