野菜

安曇野の太陽で熟したトマトとジュース

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例年にも増して暑かった今年の夏。そんな暑さもようやくしのぎやすくなってきましたが、夏の暑さがよく似合う、太陽のように真っ赤に色付く野菜といえば、"トマト"です! 皆さんもたくさん召し上がっていることでしょう。
そのトマト、サラダなどにして食べる生食用と、ジュースなどに加工するジュース用では、品種が違うのをご存知でしょうか? ちなみに、ジュース用トマト、全国の3分の1を占めるトップの生産地がこの長野県なのです。冷涼な気候といわれる山国・信州で、夏の陽射しがお似合いのトマトが全国一収穫されているといえば、ちょっと驚くでしょうかーー。


ここは、正面にはピラミッド型の常念岳、そして昔から安曇野の人々に愛されてきた有明山などの山々が広がる絶景のロケーション。ジュース用トマトの主な産地のひとつ、県中部の安曇野市堀金へとやってきました。

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安曇野の太陽の光をたっぷり浴びて
広々とした田園風景の一角に、緑の覆い茂る畑が・・・。近寄ってみれば、ありました! ゴロゴロと真っ赤なトマト! 地べたに枝を伸ばし、太陽の容赦ない陽射しをたっぷりと浴びてたくましく育っています。生食用は、雨避けのためビニールハウスの中で支柱を立てて作られますが、それとは栽培方法が違うようです。

このジュース用トマトを作るのは、平成20年から水稲の転作としてトマト栽培をおこなう「上堀みずほ生産組合」。現在60軒の農家が集まって個々に農業を営みながらも組合として皆で集まり、ほ場の整備や苗の植付けなどを共同で行っています。

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照り年に不作なし!
生産者も笑顔になるトマト

組合長の松澤務さんに今年のトマトの出来を伺いました。
「『照り年に不作なし』と言われるトマトですから、それはもう、たくさん収穫できましたよ。それに今年、この地域では夕立がほとんどなく雨が少なかったので、雨を苦手とするトマトにとっては天候にも恵まれていました」と、その笑顔が今年のトマトの豊作を物語っています。
雨が少ないことに加え、日照時間が長く、朝晩の気温差があることが、この北アルプスの麓の安曇野がジュース用トマトで日本一の生産量を誇る理由です。

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樹で完熟したトマトはきれいな赤色!
しかも、栄養豊富で美味なんです。

生食用とジュース用には違いがまだあります。生食されるものは、店頭に並ぶ時がベストのタイミングで赤くなるよう、樹で完熟する前に収穫をおこなう、いわば見栄えを重視させたトマト。一方ジュース用は、色合いを見ながら真っ赤に色付いて完熟したものを収穫するため、栄養成分は生食のものより高いのだそうです。
また、その味わいにもそれぞれ特徴があり、生食用は糖度が高く食味に優れ、ジュース用は生食のものより爽やかな酸味が感じられることでしょう。

ひと玉ひと玉大切に収穫、
それが高品質のヒミツです。

それにしてもこの時期の暑さ、炎天下での夏場の作業に加え、トマトの重さがズシリと体にこたえます。
トマトを収穫する機械もあるなか、ここでのトマトの収穫は人海戦術! 機械で収穫するよりも時間はかかりますが、ひと玉ひと玉、赤く色付いたのを確認しながら収穫でき、色付きの足りないものは後日の収穫用に見送ることで、トータル的にたくさんの完熟トマトを収穫出来るわけです。その収穫が行われるのは早朝5時過ぎから3〜4時間ほど。夕方も収穫は行われ、さらに助っ人をお願いするほどの大忙しなのです。

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産地から製造工場まで、
美味しさへのこだわりがいっぱい

そんな人の手によってひと玉ひと玉大切に収穫されるトマト。
「農家の手摘みトマトをひと粒も無駄にしないように、缶に詰めていきたいとおもってやっています」と話すのは、地元の農産物振興を目的に設立されたゴールドパック株式会社松本工場製造部部長の中川敏勝さん。四方を山に囲まれた自然豊かな安曇野の大地で、収穫されたみずみずしいトマトだけを集めて缶に注いで(シーズンパック製法)生まれたのが「信州・安曇野 トマトジュース(ストレート)」です。
産地から製造工場までが近いことで、新鮮なおいしさが封じ込められているこのジュースは、サラリとして飲みやすく、トマトの香りを感じながら素材そのままが味わえるジュースです。
「原料以上のものは作れません。おいしさは原料で決まりますから。この自然環境に恵まれた信州に生産拠点を置いて、安全で安心なものをお届けするために、地元はもちろん、国産の野菜や果実にこだわって製造しています」と話すのは、原料課課長の小幡修一さん。
ちなみに、このゴールドパックは、トマトベースの野菜ジュースをはじめ、ニンジンのジュースを日本で最初に製品化した会社です。

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ジュース用トマトの栽培は、工場との契約で作られているもの。ですから工場では、畑の土作りから栽培方法など、直接畑へ出向き指導をおこなっているそうです。
けれど、土地が違えばその味わいも変わるもの。土地や気候の違いからなる味の違いは、場所毎それぞれに糖度や酸度、トマトならではのリコピン度〔※〕を検査しながら、全体として同じ味になるように調整することで、缶によって味に差が出ないようにしているのです。
※トマトの赤い色はリコピンの色素で、がんなどの生活習慣病の予防に効果が期待されると注目されているもの。ジュース用の完熟トマトには、生食用より多くリコピンが含まれており、体への吸収もされやすいといわれます。

では、トマトジュース作りの工程をご紹介しましょう。
まず、収穫されたトマトの品質検査、産地確認をおこない、洗浄。そして、熟練した職員の厳しい目視によって葉や不良果などを取り除きます。その後、実を破砕し、加熱、搾汁し、最後は人間の舌で味のチェックをおこない、成分分析したうえで缶に充てんされていきます。

最後にひとつ。来月10月10日は「体育の日」ということは皆さんご存知だと思いますが、「トマトの日」でもあるんですよ。ほかにも「目の愛護デー」(1010を横に倒すと眉と目の形になることから)、「缶詰めの日」(日本初の本格的な缶詰の製造が始った日)、「お好み焼きの日」(焼ける音、ジュ―ジュ―にちなんで)、「銭湯の日」(千十=1010)などがあります。

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安曇野に降り注ぐ太陽のエネルギーをたっぷりと浴びたジュース用トマトの栽培・収穫がされるのは夏のわずかな期間だけ! 着色料など加えていない、混じりっ気なしのトマトだけを使った赤い色は、栄養たっぷりに見えるでしょ。
「トマトが赤くなると医者が青くなる」ということわざもあるほどですから、毎日の美容と健康にトマトをお役立てください。搾りたてそのまんまのトマトが詰まったジュースは、堀金物産センターで販売されているほか、オンラインショップでもお求めいただけます。

ゴールドパック株式会社
〔本社〕
〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町8-9 メイセイビル5階
TEL: 03-3780-5416(代)
FAX: 03-3780-5409
〔松本工場〕
〒390-0833 長野県松本市双葉12-63
TEL: 0263-25-3415(代)
FAX: 0263-26-0355

こちらは の記事です。
農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

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