みなさん、「ぼたんこしょう」って聞いたことはありますか? 「ぼたんこしょう」とは、ナス科トウガラシ属の一種で、形状はパプリカに似ています。信州の伝統野菜の一つに認定されており、牡丹の花のような形をしていることからその名がつけられました。
日本のトウガラシは、ピーマンなどの辛くない種類か、激辛の鷹の爪を始めとした辛さをウリにする種類のどちらかに概ね分類されます。しかし、この「ぼたんこしょう」はトウガラシの辛さと果肉の甘みの両方を持っているので、味に深みのある程良いピリ辛を楽しめるのが特徴です。地元では、ミョウガ、なす、味噌漬けなどを細かく刻んで和えた北信濃の伝統料理「やたら」の材料として親しまれています。
生でも・焼いても・炒めても程良い辛さが癖になるおいしさです。・・・でも、私は1度しか食べたことがありません。もう一度あの辛味を味わいたくて、「斑尾(まだらお)ぼたんこしょうまつり」に行ってきました♪
夏はコレ!
でも味が想像できますか?
「やたら」「ぼたんこしょうクレープ」「こねつけ」・・・
8月4日(日)に中野市にある道の駅ふるさと豊田にて、「第 4 回斑尾ぼたんこしょうまつり」が開催されました。ぼたんこしょうをはじめとする農産物や加工品の販売、ぼたんこしょうを使った料理の試食・販売が行われ、午前中の雨にもかかわらず、たくさんの人で賑っていました。
会場に着いて、さっそくお目当ての「やたら」を試食してみました!程良い辛味があり、笹の香りとあわさって何ともさわやかで、期待通り夏にぴったりの味です。隣には、「ぼたんこしょうクレープ」の文字!?トウガラシとスイーツのクレープが合わさった味は想像に難しかったのですが・・・実際は、焼いたナスとぼたんこしょう味噌を生地でクルクルっと巻いたお食事クレープでした。確かに、ピリッと辛さの効いたぼたんこしょう味噌は味のアクセントになって、いろいろな料理に活用できそうです。ぼたんこしょう味噌をのせた「こねつけ(ごはんと小麦粉をこねて焼いた郷土料理)」や、ぼたんこしょう入り「サーターアンタギー」などの珍しいメニューもあります。お祭りは10時開始でしたが、10時半ころサーターアンタギーを買いに行くと、すでに売り切れ!(◎o◎;)大人気だったようです。
斑尾だから育つこのおいしさ
70年間栽培され続けた伝統野菜です
この時とばかり、「斑尾ぼたんこしょう保存会」会長の大内ふじ子さんにお話を伺いました。普通のトウガラシと異なり冷涼な気候を好むため、標高の低いところで栽培すると、辛くならなかったり、大きくならなかったりと、なかなかうまくいかないそうです。斑尾山の麓、この地域の気候が適していたからこそ、70年以上も前から栽培されつづけてきたんですね。ぼたんこしょうの種の保存のために、「斑尾ぼたんこしょう保存会」が平成20年に発足し、品質の向上や生産の安定化、オリジナル加工品の開発などを行っています。
この貴重な「ぼたんこしょう」は、どこで購入できるのでしょうか?お祭りの会場となった「道の駅ふるさと豊田」のほか8月中旬から10月まで長野県内のスーパーのも並びます。県外のスーパーには置いていないかもしれませんが、食べてみたい方は直接お問い合わせくださいとのことです。信州伝統野菜のピリ辛を是非ご賞味ください!
◇お問い合わせ先
斑尾ぼたんこしょう保存会(代表 大内ふじ子)
TEL・FAX 0269-38-3327
ぼたんこしょうを使ったレジピ
くせになるおいしさ「佃煮」
【材料】
ぼたんこしょう・・・4個
みりん・・・30cc
しょうゆ・・・30cc
酒・・・30cc
【作り方】
1.ぼたんこしょうを半分に切る。
2.鍋に1を入れ、調味料を加えて煮詰めれば出来上がり。
※調理のときの注意
ぼたんこしょうは唐辛子の一種です。タネとその周囲の白い隔壁の部分は特に辛みが強いので十分気をつけてください。料理した手で、絶対に目を触らないでください。