JA信州うえだ「信濃ぐるみ」
県東部に位置する東御市は、全国でも有数のクルミの産地です。クルミは、お料理やお菓子作りの材料として、また、おつまみとしても欠かせません。 今回は、東御市産のクルミが食べられる、おいしいお店&おいしい食べ方をご紹介します!
東御市の和地区では、大正時代に天皇の即位を記念して、全戸に苗木が配られたことからクルミの栽培が始まりました。以降、栽培品種の改良・育成が繰り返され、現在に至ります。栽培用のクルミの他に、地域によっては各家庭にもクルミの木があり、秋になると食卓にはクルミ料理が並ぶそうです。
目視でチェック
9月末〜10月中旬に収穫されたクルミは、洗浄・乾燥を経て、取材した12月上旬には選別作業が行われていました。人の目でチェックしたあと、機械で大きさごとに振り分けます。これは、「信濃ぐるみ」という品種で、東回りで古代中国から入ってきたテウチグルミと、西回りでアメリカから入ってきたペルシャグルミが自然交配して生まれた品種です。大きな実が特徴で、殻が割りやすく、2つのクルミを重ねて手で割ることもできるそうです。東御市産のクルミは、JA直売センターで購入することができます。12月から販売を開始し、完売次第終了となります。(詳細は、下記をご覧ください)
機械で大きさごとに分ける
まずは、東御市を代表する観光スポット海野宿を訪れました。かつての宿場町を彷彿とさせる海野宿は、情緒あふれる街並みが魅力です。
築120年を超える建物のそば屋「福嶋屋」では、地元産のクルミを使った「くるみおはぎ」が人気です。「くるみ醤油ダレ」と「くるみ大根おろし」の2つの味があり、例年12月に一年分のクルミを仕入れて、地元のクルミにこだわって提供しています。
くるみおはぎ(左から醤油ダレ、大根おろし)
「くるみ醤油ダレ」は、クルミのコクと香りが甘辛いタレによく合います。注文を受けてからすりおろす、「くるみの大根おろし」は、クルミと大根がマッチして、コクがあるのにさっぱりといただける、さわやかな味です。
創業者の矢嶋直さんとカシグルミ
この地域では、おはぎといえばくるみを使ったおはぎが定番で、あんこやきなこをまぶしたおはぎはほとんど食べないんだとか。明治時代、先代の祖母がお正月におはぎを作って近所にふるまったところ、くるみ大根おろしのおはぎが珍しくておいしいと評判になったそうです。福嶋屋は、平成6(1994)年に先代の矢嶋直(ただし)さんが開業しましたが、近所で評判の「くるみおはぎ」もお品書きに加えました。今も、先代の祖母が作った当時のレシピを守っているそうです。
地元で人気の菓子店「御菓子 花岡」には、クルミを使ったスイーツがたくさんあります。なんと、およそ半分の商品にクルミを使用しているそうです。さすが、クルミの一大産地にあるお菓子屋さんです。おススメの東御市産のクルミを使用したお菓子を教えていただきました。
クルミを使用した最中「くるみるく」は、クルミの形をした最中の中に、刻んだクルミ入りの餡が入っています。本物のクルミとおよそ同じサイズで、見た目にも可愛らしいです。 「くるみ大福」は柔らかいお餅の中に、刻んだクルミ入りの餡が入っていて、上にも大粒のクルミがのっています。シンプルに大福とクルミのおいしさを味わえます。くるみ大福は「購入した日に食べてください」という当日限りの商品です。
左から、「くるみるく」「くるみ大福」
さて、お店の紹介はいいけれど、長野県に行くのは遠いな・・・という方のために、ご家庭でできる簡単なクルミ料理をご紹介します。東御市の寺島初子さんに、簡単にできる「くるみの三色おにぎり」を教えていただきました。
クルミの木のある家では、どの家庭でもよく食べるおにぎりだそうです。栄養満点のクルミとご飯で、元気いっぱいになれそうですね。
こちらは 2014.12.16 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
ピーチちゃん
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