全国各地でリンゴが最盛期を迎えており、ここ長野県でも各種リンゴが店頭にズラリと並びます。 そんなリンゴの生産に欠かせない作業が「摘果作業」です。 今回は、そんな摘果作業によって摘み取られ、捨てられるはずの小さい果実を用いたりんご酒「大人の林檎リキュール」を取材してきました。 この「大人の林檎リキュール」は、安曇野市・松本市をエリアとするJAあづみが、大雪渓酒造、松本大学の学生と協力して開発したもので、使用しているリンゴは、摘果作業で摘み取った実、本来ならば捨てるはずの小さい果実を用いています。
「摘果作業」とは、果実の実を減らすことで、1つの果実を大きくさせる作業のことを言います。通常、りんごは1つの芽から5〜6つの花が咲きます。そこで、中心果以外の側果を摘み取り、1カ所に1果とすることで、1つの果実に栄養を集中させ、より大きくおいしいリンゴに仕上げることができるんです。
摘果する前
摘果した後
摘果した実には、ポリフェノールが成熟した実より多く含まれています。ポリフェノールには、活性酸素の働きを抑え細胞の老化を防止する働きがあり、抗酸化作用によってシミ・シワ・たるみから肌を守るとともに、睡眠不足やストレスからくるニキビ・肌荒れも抑えることができると言われています。本来ならば捨てるはずの小さい果実にこのような秘密があるとは。
日本酒に漬けて3カ月熟成させる
試飲した摘果リンゴのリキュールと漬け込んだ実
「東京市場の視察中に摘果りんごを用いたリキュールという発想が浮かんだ」と話すのは、発起人であるJAあづみ営農経済事業部の小室博文次長。 昨年の7月に、摘果りんごを漬け、約5か月間熟成させたものを職員に試飲してもらったのがきっかけだとか。試飲した職員から「りんごの香りが良い」「梅酒に近い感覚でおいしい」といった声が挙がり製品化を決定。 今年度製造した500本も既に完売寸前。「ゼロベースのものに付加価値を付けている。農家所得に大きく貢献できる」と、その手ごたえを話してくれました。
さて、この「大人の林檎リキュール」。ラベルのデザインもユニークですよね。この商品名やラベルのデザイン等はマーケティングを専門にしている松本大学松商短期大学部の金子能呼准教授と、そのゼミ生16人が考案したものなんです。金子ゼミでは地元のお米を使用したおにぎりや、地元産りんごを使ったスイーツの企画なども行っており、地域活動に積極的に携わっています。 金子能呼准教授は「大人の林檎リキュールに合うような商品、あるいは、リキュールを用いた新しい食べ方などを提案していきたい」と話してくれました。
金子能呼准教授と小室博文次長
りんごスイーツ企画に取り組む学生たち
この「大人の林檎リキュール」ですが、製造した500本は残りわずか。来年度は大雪渓酒造の協力のもと、製造量を約5倍近くにまで増量して販売する計画です。
「大人の林檎リキュール」 360ml 1200円(税込) アルコール度12%
■販売先
あづみアップル
・株式会社あづみアップル 長野県安曇野市豊科南穂高5567-5 TEL 0263-73-5532
・銀座NAGANO 東京都中央区銀座5丁目6-5 NOCOビル 1F・2F・4F
■問い合わせ先
・株式会社あづみアップル TEL 0263-73-5532
こちらは 2014.12.09 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
あぐり君
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