信州花めぐり♪安曇野でわさびの花を味わう

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日本の食文化「和食」とは切っても切り離せない関係にあるのが、「山葵(わさび)」。
刺身に添えられているわさびは、ほとんど全部は使われずに残ってしまい、寿司に入ったわさびも多すぎれば「ツーン」と私たちを刺激します。
ところが、なければないで食べたくなる。
今回は、幾度となく私たちのわがままに付き合い、期待に応え続けてきてくれた和食の「いぶし銀」わさびと、信州の花めぐりシリーズ第2弾として、わさびの花をご紹介いたします。


緑のわさびの若葉に囲まれながら、
ひっそりと咲く白いわさびの花

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花言葉は「目覚め」「うれし涙」。
わさびの花は、他の花と比較すると花が小さく、どこか謙虚につつましく咲いている印象を受けました。今年の開花は例年に比べて少し遅れ気味ではあったものの、見頃は去年と変わらず3月中旬〜4月下旬となっております。春風に吹かれながら、この花のようにひっそりと観賞するのも良いかもしれませんね。
また、わさびの花は、おひたしや天ぷらなどとして食べられています。花もわさびと同じ辛さが含まれているので、見るのもよし、食べるのもよし! わさびの花を堪能してみて下さいね。

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北アルプスの雪どけ水が湧き出る
安曇野市穂高「大王わさび農場」

今回取材協力してくださったのは、安曇野市穂高地区に位置している大王わさび農場。ここは15ha、東京ドーム11個分ほどの広さを持つ大農場です。
日本の名水百選にも選ばれている、北アルプスから流れる伏流水の湧水を用いて、毎年良質なわさびを栽培しています。

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「わさび」の栽培方法には、渓流や湧水で育てる沢ワサビ(水ワサビ)と、畑で育てる畑ワサビ(陸ワサビ)があり、大王わさび農場は沢わさびを用いています。

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沢ワサビは、大きな川の近くの平坦地を数メートル掘り下げて、伏流水の湧き出る所に砂で畝を作り、畝の両側にわさびを植えつける栽培方法で、種をまいてからおよそ2年で収穫できます。わさびは生育が遅ければ遅いほど良質なものになると言われており、収穫期になるまでに土の中にいればいるほど辛みが増します。しかし、収穫期を過ぎても土の中に置いておくと、中がスカスカなわさびになってしまうので、収穫期の見極めがポイントだとか。

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さらに高品質なわさび栽培を目指して
そんな中、ひときわ上品なわさびに出会いました。その名も「長野23号」。写真で見れば一目瞭然、長野23号の芋の方がどこか上品な印象を受けます。

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「長野23号」(左)と通常のわさび

味も通常のわさびよりも辛みがあり良質なんです。
しかしながら比べてみると大きさが小さい。。
そうなんです。長野23号は全体的に大きく味も良いことから、その昔は先進的なわさびとして注目を集めておりましたが、近年のめまぐるしい技術革新に加え、激しい気候変化、畑の老朽化といった現代の環境に適合できずに退化しつつある品種なんです。今でも長野23号を栽培している農家も存在しますが、全体で見た時の長野23号の出荷量はわずかな状況です。
そんな中、安曇野市のわさび組合は、長野23号の良いところを残しつつ現代の環境に適合した品種を作ろうと、現在、新品種の開発に向けて取り組んでいます。
ただ闇雲に新しいものを目指すのではなく、昔の良いところを継承しつつ、現代に適合したものを作る。農産物ならずすべてに求められていることかも知れませんね。

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本わさびをたっぷりと味わおう
ここ大王わさび農場では、様々なわさびの食べ方を提供しています。
特におすすめなのが「本わさび丼」。

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本わさびをすりつぶし、かつおぶしと切り刻んだわさびの茎をのせたご飯に混ぜて食べます。たったそれだけ。

採れたてだからこそ、本わさびだからこそ、脇役でなく、主役としてわさびを召し上がってみてはいかがですか。

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わさびソフトクリーム

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本わさびのみを使用したチューブわさび

大王わさび農場

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電話:0263-82-2118
〒399-8303 長野県安曇野市穂高1692
※カーナビご利用の場合は「3640番地」と認識させて下さい。

◎営業:年中無休
※営業時間が季節により変わります。ご注意ください
【3月〜10月】9:00〜17:20
【11月〜2月】9:00〜16:30
◎入園料:無料
◎無料駐車場完備

こちらは の記事です。
農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

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