石づきがない、バラバラになったキノコのパック詰めを見たことはありますか? 長野県内の直売所やスーパーではよく見る、シメジやエノキタケのパック詰めは、産地ならではのお得な商品として、県外から訪れた方にも人気です。
そんなバラバラシメジの包装に加え、特殊フィルムを使用して日持ちの良さを実現し、世に流通させた、農事組合法人アグリコの代表理事会長兼CEO福原俊秀さんとともに、今年3月に発売された、大人も子供も一緒にパリパリ♪ 楽しめる、新商品をご紹介します!
食感は楽しく、味わいは深く
農事組合法人アグリコは、東に南アルプス(赤石山脈)、西に中央アルプス(木曽山脈)の3,000メートル級の山々を望む、県南部の駒ヶ根に拠点を構え、年間約1,700トンものブナシメジを生産するほか、独自の視点でユニークな商品を誕生させています。
では、さっそく、新商品のちびっこシメジを、まずは1本、口へ運んでみましょう。
ギュウッ〜と凝縮された旨味が口の中でどんどん広がって、『おぉ、シメジってこんなに旨みを秘めていたのね』と、ちっちゃなかけらに潜むシメジの凄さに驚くはず。そういえば、ブナシメジで味わったことのある特有の苦味もどこへやら。
軽快なパリパリ音もなんだか楽しく、『あと1本・・・』とついつい手が伸びます。パリパリパリ・・・♪ そんな食感から、このちびっこシメジは、「森のちびっこ パリパリ〜ノ」と命名されました。
歯応え良く、凝縮された深い味わいの秘密は、高温で長時間乾燥させたもの。塩分や油分といった味付けなどが一切されていないシメジオンリーのヘルシーなものですから、子供が食べて安心なことはもちろん、ダイエットが気になる大人のおつまみにも最適でしょう。味にちょっと変化がほしい場合も、素材そのままの味を生かして、自在に味付けできるのがいいところ。オススメは塩と粉山椒をまぶしたもので、味がのるように、ちょっと霧吹きでシメジを湿らせてから味を付けるのがコツだそうですよ。
・・・パリパリ♪・・・
あらら、ついついお酒も進んでしまうことでしょう。さらには、炊き込みご飯にしてみたりと、乾燥シメジは料理にも手軽に使えます。
ユニークなアイディアで
無駄なく、美味しく進化
名前に"ちびっこ"とあるように、これはブナシメジの小さいサイズだけを集めて商品化したもの。石づきを取って、塊をほぐして調理するシメジ。だったら、最初からそうやって包装すれば使いやすくてゴミも出ない――そんなヒラメキのもと、生産工場では、石づき部分をカットしてバラバラになったシメジを、サイズごとに、大・レギュラー・極小(ミニ)と分類しますが、流通にのりやすい大・レギュラーサイズに比べて、手元に残ってしまいがちなのがミニサイズでした。なぜならミニサイズは、需要は多かったものの、傘が小さいためにシメジが呼吸できず、傷みが早いため、そのままで流通させるのは難しかったからです。小さくても旨みたっぷりのミニシメジを、『どうにか日持ちさせて食べられないか?』と福原さんが考えあぐね、思いついたのが、シメジを乾燥させることでした。
農事組合法人アグリコのブナシメジ生産工場
そして、農事組合法人アグリコと、農事組合法人アルプス三和、農事組合法人三幸の共同開発により誕生した「森のちびっこパリパリ〜ノ」は、高温で6〜9時間じっくり乾燥させて水分を抜いたら、もう完成。たったこれだけ。これで足が早かったミニシメジも賞味期限が1年間に。さらにシメジ本来の濃い味が楽しめるようになりました。
ただし、シメジ1株にできる極小シメジの割合は4%程と、ごくわずか。さらに、1キロの「森のちびっこパリパリ〜ノ」をつくるには、なんと13キロのミニシメジが必要になるといいますから、なかなかの貴重品でしょう。
大・レギュラー・極小(ミニ)に分類されたブナシメジ
"山のホタテ"を知っていますか?
さらに、福原さんが次に目をつけたのが、シメジをカットした際、石づきと一緒に切り落とされていた株元部分。これは「森のほたて パリージョ」として昨年の夏から販売中。火を通して食べるその味わいは、まるでホタテ貝を食べているかのような肉厚感とジューシーさ。まさに信州が生んだ"山のホタテ"です。
「森のほたて パリージョ」のこれまたユニークなネーミング。それは、シメジの株元がホタテの食感に似ているところから連想し、→ホタテ貝はカスタネットのような恰好をしている。→カスタネットはフラメンコで使用するものを"パリージョ"という。さらに響きも良い!! と、名付けられたのだとか。商社勤務時代に海外を飛び回っていた、福原さんならではの発想でしょう。
そして、極め付けは、このホタテを使って福原さんが教えてくれた料理です。
「"パリージョ"をカツ風に仕上げてカレーライスに添えていただきますと、大変美味く、まさに"パリ〜女(ジョ)"が"カレー(彼)"を呼ばざるを得ないのではと・・・」。
アッと驚く商品を次々開発させていく福原さん。いくら時間があっても説明しきれないという様子で、今度はどんなものを誕生させてくれるのか期待も高まります。
「森のほたて パリージョ」
ヘルシーでプレミアム
大人のおやつにぴったり
「パリパリ〜ノ」は、おやつとして、またお酒のおつまみとして2種類のパッケージを用意。ただし中身は、まったく同じものですのであしからず。カロリーが気になるけれど何か食べたい、お酒のおつまみがほしい、という方にピッタリの「森のちびっこ パリパリ〜ノ」は、旅のお供に忍ばせても良し。ホタテのような味わいを楽しめる「森のほたて パリージョ」とともに、JA上伊那農産物直売所「ファーマーズあじ〜な」を中心に販売中です。
そうそう、「パリパリ〜ノ」は、延ばす音の語尾を上げて舌を丸めるように、そう、スペイン人になった気分でノリ良く楽しんで発音してくださいね!
◇「森のちびっこパリパリ〜ノ」(20g入り)280円
◇「森のほたて パリージョ」(2株入)150円
※ともに平成26年3月19日現在
【販売先】
◇JA上伊那ファーマーズあじ〜な
〒399-4511 上伊那郡南箕輪村8143-1
(中央道伊那ICより5分)
TEL:0265-78-0701