「幻のきのこ」と呼ばれているハナビラタケを、みなさんはご存知ですか? 免疫力を高めるといわれる「ベータグルカン」を豊富に含み(乾燥したもので100グラム中43・6グラム:食品分析センター調べ)、夏から秋口にかけて高地のカラマツ林などに自生するきのこですが、天然物は発見が難しくて、一般的にはあまり知られていませんでした。
ヨーロッパではカリフラワーマッシュルームと呼ばれるハナビラタケの色は、白色からクリーム色で、文字通り「花びら状のかさ」を持っています。そしてこの幻のきのこが1993年に埼玉県立熊谷農業高校の教諭らの手で初めて人工栽培に成功したのです! 今年になってそのハナビラタケを使った料理教室がJAみなみ信州の女性部らが主催して開催されるというので、さっそく取材に出かけました。
白く輝くお手軽食材
1月27日、JAみなみ信州女性部と飯田市農業振興センターによる「旬の一番料理教室」が「JAみどりの広場」で開かれ、60人を超す女性受講者にハナビラタケがお披露目されました。JAみなみ信州管内のハナビラタケが2月中旬から県内で初めて本格販売されるのを控えて、特長や食感、調理法や料理の幅広さを知ってもらおうと企画されたものです。
料理教室の講師として登場したのは、季節料理店天神坂(飯田市松尾町)の松永モモ江さん。まず「王様のサラダまるごと南信州」を紹介。リンゴと市田柿をスライスし、ホウレンソウを生で加え、ハナビラタケをゆがいてから手でちぎって混ぜ、ドレッシングをかければ出来あがりです。「王様のサラダ」を試食した参加者は、「ハナビラタケの食感が海藻に似ていておいしい」と口々に話していました。松永さんは「王様のサラダは旬の果実、野菜、きのこを組み合わせた自由な料理。地元の豊富な食材を使って試してみては」と呼びかけていました。
このほか、ハナビラタケを使った料理として、炊き込みご飯、お吸い物、ホウレンソウとのからしマヨネーズ和え、鉄板焼き辛味大根おろし、天ぷらがつぎつぎと紹介されました。いずれの料理も参加者に大好評で、ハナビラタケを使った料理の幅広さに感心し、その食感に舌鼓を打ちました。
およりてふぁーむ
飯田市鼎東鼎281
TEL 0265?56?2822
営業時間 AM9時?PM18時
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JAみなみ信州きのこ課では、飯田市内のきのこ農家とハナビラタケを契約栽培し、2006年度は1週間で約200kgの生産流通を計画しています。市内のJA直売所「およりてふぁーむ」「りんごの里」、やA・コープレギュラー店で販売するほか、中京圏のスーパーでの販売も視野に入れています。
2月中旬から本格販売する「およりてふぁーむ」の羽生光志所長は「ハナビラタケは日持ちがよくたんぱくなので、料理にとっつきやすい」と話しています。ハナビラタケは1パック(100g)350円で販売する予定。お問い合わせはJAみなみ信州の農産物直売所およりてふぁーむ、電話0265(56)2822まで。