収穫の秋、長野県の直売所やスーパーの直売コーナーには秋の産物が並んでいます。夏から秋になって、野菜から果物へとメインスペースがシフトしているように感じます。少し肌寒くなってきたら、甘みのある果物もいいですね♪
りんご三兄弟は秋映から始まります
さて、信州といえば「りんご」。すでにりんごのシーズンは始まっています! 早生種(収穫時期が早い品種)は9月から出荷されていますが、10月になって中生種(収穫時期が早生よりも遅く晩生よりも早い品種)が店頭に並んでいます。ふじなどの晩生種(収穫時期となるのが遅い品種)は、もうしばらくお待ちください。
中生種のなかでも「りんご三兄弟」ってご存知ですか? りんご三兄弟とは、「秋映」「シナノスイート」「シナノゴールド」の3種で、長野県生まれの期待の品種なんです! その長男「秋映」が収獲の時期を迎えていると聞きつけて、りんご畑を訪ねてきました。
秋空にしっとり映える暗紅色
やってきたのは、秋映が生まれた長野県の北部に位置する中野市です。りんごを30年以上栽培し、JA中野市りんご・もも部会の副部会長を務める池田義人さんを訪ねました。池田さんは、りんご135a、桃15aなどを栽培する果樹農家です。畑には真っ赤を通り越えて、赤黒く(!)見えるほど色づいたりんごが実っていました。そう、この濃い色が秋映です。
青空の下で、りんごが気持ち良さそうに日向ぼっこしていました
秋映は着色に優れていることが特徴で、早い時期から赤くなります。しかし、ちょっと待ってください。赤くなっただけでは早いんです! おいしい秋映を収穫するためには、秋映の表面がしっとりするまで収穫を待ちます。一見、赤くても、まだ熟していない場合は手触りがつるつるとしています。
りんごの「しっとり」と「つるつる」の違いがよくわからない場合は、どうしたらいいのでしょうか。そんなときは、りんごのおしりに注目してください。熟したりんごは、下の部分が開いてきます。逆に閉じているものは、まだ熟し切っていない状態で収穫したもの。りんごを選ぶ際の参考にしてください。
下の写真では、どちらが熟したものかわかりますか?
熟したりんごはどっち? 正解は右です
高品質な秋映を出荷する「しっとり秋映箱選グループ」
「初出荷」といえば、注目度も価格も高くなるため、早めに収獲・出荷する農家もあるそうです。しかし「本当においしいりんごを食べてもらいたい」という生産者の想いから、池田さんの所属しているJA中野市のりんご・もも部会の中では希望者を募って「しっとり秋映箱選グループ」を結成しました。このグループでは収獲解禁日を決めて、しっかり熟してから収獲した秋映を出荷しています。
秋映は日持ちにも優れているので、熟してから収獲・出荷することができるのです。常温で30日くらいは持つそうで、消費者にもうれしいですね。
手をかけた分だけ、りんごが応えてくれる
さて、この秋映はどんな味がするのでしょうか。さっそくいただいてみました!
シャキシャキッ。秋映といえば、この食感がいいですね。酸味がほど良くあり、甘みとのバランスが絶妙です。池田さんの畑のある中野市でも、特に北部の地域のりんごは土壌や気候に恵まれており、水分が多くて甘いと評判だそうです。
「手をかけた分だけりんごが応えてくれる。だから、りんご作りは楽しい」と語る池田さん。いつまでもおいしいりんごを作ってください!(*^_^*)
中野市で育ったおいしい秋映を食べたいという方は、「信州中野いきいき館」などで購入できます。ぜひ、召し上がってみてくださいね。
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