果物狩りには人それぞれの様々な楽しみ方があります。
日の当たる太陽の下、参加者同士で仲良く会話を楽しみながら食べるもぎたてのフルーツはもう絶品。
農業王国である長野県では、りんご、ぶどう、イチゴなど様々な果物狩りが体験できますが、今回はさくらんぼ狩りの紹介です。
そもそも、さくらんぼの旬って皆さんご存知ですか? 品種や栽培方法によって時期は異なりますが、さくらんぼの王様ともいえる佐藤錦は、一般的には6月上旬〜7月上旬といわれています。さくらんぼの時期って短いんですね。
今回紹介するJAながの直売所「アグリながぬま」は県北部の長野市穂保に位置し、長野市内から30分、須坂東ICから車で20分ほどのところにあります。長野市はりんごを始めとする果樹の生産が盛んですが、さくらんぼも果樹のエキスパートである農家のみなさんが魂を込めて生産しており、毎年とても美味しいさくらんぼが収穫されています。
農園主とほのぼの楽しむ
まずは、生産者である金箱さんにお話を伺いました。
「さくらんぼは1年に一度しかとれないので、失敗すると今年の出荷自体ができなくなってしまう」
と、毎年気持ちを込めて栽培しているそうです。また、「さくらんぼを美味しくたくさん食べてもらいたい」という金箱さんの気持ちから、時間のある時は参加者にさくらんぼの解説を行ったり、美味しいさくらんぼの見分け方を教えているそうです。金箱さん自身も参加者との会話を楽しみにしていて、気づけば時間制限が過ぎている、なんてことがしょっちゅうだとか。
まるで親戚がいる田舎に帰ってきているような温かい気持ちになれるのが、ここならではの魅力です。
美味しさと美しさは一朝一夕にあらず
実際にさくらんぼをとって食べてみると本当に美味しいんです! さくらんぼならではの甘みや程よい酸味に加えて、金箱さんの日々の努力が一粒一粒の実の中にギュッと凝縮されていました。中には200粒近く平らげた猛者もいるとか。
また、季節が短いからこそさくらんぼには繊細な栽培・管理方法が問われます。
左:下からも日光を当てるために敷かれたシルバーシート。
右上:葉っぱを束ねて陽当たり良く
右下:これから日光に当たって赤くなるさくらんぼ
例えば色味。なんでも、日光に当たった部分しか実が赤くならないとか......。そこで、果実にまんべんなく日光を当てるために、果実の近くにある葉を輪ゴムでまとめ、光の当たらない陰の部分をなくしたり、シルバーシートを地面に敷き光の反射で下からも確実に日光を当てるなど、生産者の丁寧で地道な作業がありました。こうして、宝石のような綺麗な色になるのですね。
さくらんぼも「摘果」するんです。
ここでさくらんぼの一口メモを紹介します。
さくらんぼの実は、最初はぶどうのように10粒くらいできるんですよ。ご存知でしたか?
そこから生産者の方が栄養を分散させないために3、4粒にまで減らします(この作業を摘果といいます)。その3、4粒が赤い宝石とまでいわれるような綺麗なさくらんぼに変わっていくそうです。
夏の陽射しの中にも涼やかさを感じて
さらに、さくらんぼ狩りは食べて美味しいだけではありません。辺りを見渡せば綺麗な赤い世界が無数に広がり、目を閉じて深呼吸すると日光を力強く浴びた葉の香りが全身を巡り、下からさくらんぼを見上げると暑さを忘れさせてくれるような冷涼な美しさが感じられます。
写真では伝えきれないさくらんぼ狩りならではの魅力を、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。
アグリながぬま
さくらんぼ狩り受付時間:
午前10時〜午後3時(閉園: 午後4時)
料金: 食べ放題30分間
小学生以上2000円、小学生未満700円、3歳未満 無料
期間: 6月下旬まで ※なくなり次第閉園
◇関連サイト
・さわやか信州旅.net さくらんぼ狩り