野菜

見れば元気が湧いてくるジューシーなパプリカ

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食欲の秋、そして紅葉も楽しみな秋がやってきました。
県北部に位置する雄大な自然が魅力の山ノ内町志賀高原でも、いま着々と紅葉が進んでいるところです。その志賀高原へと誘う道の途中のハウスの中に、これまた紅葉のように色とりどりの野菜を見つけました。緑の葉っぱに黄色、赤、オレンジと大きな実を付け賑やかな様子をしていたのは、パプリカです。
16世紀の半ば、ハンガリーでピーマンを改良して作られたとされるパプリカですが、ピーマンというよりもこの大きさ、そして色と、まるでリンゴが実っているみたいです。サラダや炒め物など、パプリカが入っている料理は食卓をパッと明るくしてくれるものですが、育てるのには意外と手が掛かり、なんでも、暑ければダメ、寒くてもダメという「箱入りさん」なのだそうです。

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霜が降りるまで大事に育てる
そんなパプリカを育てているのは、山ノ内町在住の櫻井修子さん。リンゴとブドウの果樹を中心に旦那様と農業を行いながら、試しと10年ほど前から栽培をはじめたのがパプリカだったそうです。
パプリカの苗が植えられるのは5月の連休で、最初の収穫は7月下旬からようやく始まります。ピーマンは夏場だけの収穫となりますが、パプリカは11月の霜が降りる前まで収穫が続き、長い期間作られる作物だそうです。

というわけで、パプリカが育てられているのはハウスの中。
温度変化を受けやすい敏感な作物のパプリカは、24度くらいを適温とする温度管理が欠かせない作物で、初夏から秋の終わりまでパプリカが育つ環境づくりに手がかかります。たとえば、暑い場合は風通しを良くするためにハウスのビニールを上げて網戸にし、また寒い場合にはストーブをたいてハウス内を温めるという気の使いよう。このようにして長期間の栽培を可能にしているのです。


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「本来ならパプリカは、手を上に伸ばすほどに丈が高く、また樹はワサワサと葉をつけるものなんですよ」と教えてくれた櫻井さん。けれど、いま目の前にあるのはせいぜい1メートル程度。パプリカの樹がなんとも小柄である理由は、今年の暑さです。風の通りを良くしたとしても、パプリカが育つのはビニールハウスの中ですから、今年の暑さには、このパプリカ達も相当応えたことでしょう。

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1カ月もの間、熟成するのを待つ
パプリカを栽培しながら「緑色が次第に赤や黄色になっていくのが嬉しいの」とその喜びを話してくれた櫻井さんですが、ピーマンは未熟果を食べる野菜である一方、パプリカは完熟果の野菜ですから、そのパプリカが収穫を迎えるまでには想像以上の時間がかかるものでした。
というのも、ピーマン色に実った大きなパプリカが赤や黄色に色が変化していくのには、さらに1ヵ月という長い熟成期間が必要で、首を長くして収穫の時を待つ、辛抱強さの要る作物なのです。
ちなみに、赤いパプリカは、赤い実が付くパプリカの苗から、黄色のパプリカは黄色い実が付くパプリカの苗からしか実りませんので、赤や黄色が一度に楽しめることは残念ながらないそうです。

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フルーツのようにみずみずしい
そうして完熟することによって甘くなったパプリカは、ピーマンの生臭さが苦手な子供でも、きっと喜んで食べられる美味しさでしょう。
また、甘いばかりでなく水分もたっぷりというパプリカは、「収穫したばかりのものを半分に切った時、水分がはじけ飛ぶくらいのみずみずしさで、それをすぐマヨネーズにつけて食べるのが最高においしいの」と思わず瞳が輝く櫻井さん。多くの水を必要とするパプリカは、一日おきの水やりが欠かせないそうですが、そうして育てたパプリカはまるでフルーツのようなジューシーな味わいになるのです。

みずみずしくてフルーツのような味わいのパプリカですから、意外にもフルーツポンチにもピッタリです。好みのスパイスを加えて作った、大人の味の「パプリカのフルーポンチ」(レシピ考案:藤木シェフ)、ぜひ楽んで味わってみてください。

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美味しいだけじゃなく、見れば元気も湧いてくる長野県産パプリカは、霜が降りる11月初旬まで栽培が行われます。

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農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

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