このみずみずしさ! そして美しい色づき! 「桃太郎トマト」のなかでも「桃太郎ヨーク」は "甘みと酸味" が絶妙と評判の品種です。自分の農場で育てるトマトに「ノムさんのトマト」と親しみやすいネーミングをつけて、年間80トンの出荷を目標にその「桃太郎ヨーク」の栽培を行っている野村利彦(のむらとしひこ)さんのところを訪ねました。
農場は長野県のほぼ中心、ワインの産地で有名な塩尻市にあります。大きなハウスをかまえて「ノムさんのトマト」は、奥さまと息子さん、そのほかお手伝いの方々数名で大切に育てられていました。
父と子
おいしいトマトの見分け方は?
これが、当ブログマガジンの人気コーナー『今週のプレゼント」』で「果実のようなトマト」として人気をはくした「ノムさんちのトマト」ですね。まずはおいしいトマトの見分け方を教えていください?
「トマトにね、こういう濃い、いい色が出てるでしょ? これはもう、本当においしいんだよね」
なるほど、トマトのおいしい見分けかたは、形や実の大きさよりも、濃くて良い色がついているかどうかですか。それにしても大きなトマト、手のひらが隠れそうで立派です。
「フルーツトマトって、じつは品種じゃないんだよ。糖度が8度以上あるトマトを"フルーツトマト"って呼んでいる。ちょっと待ってて」そう言うと、利彦さんがなにやら道具を取り出しました。"糖度計"です。そして近くにあったテーブルの上でトマトを切ると、そこから出た果汁を糖度計につけてのぞきこみます。そして、「見てごらん、目盛りが8度以上あるでしょ」
糖度計をのぞくと、針は「8.8度」を差しています。普通の桃太郎の糖度が5から6、ミニトマトが6から7ですから、イチゴ並の糖度です。この糖度の高さが「フルーツトマト」と呼ばれる証拠。驚いているとトマトを試食させてくれました。トマト特有の臭みやすっぱさはまったくなく、上品な甘み。食べた口元から自然に笑みがこぼれてしまいました。
おいしいものを作るのですから、当然多くの苦労がもかかります。トマトには細かく目をかけてやらねばならず、野村さんは毎日気が抜けないのだそうです。
実に種が入らないトマトは受粉できまる
トマトの「肌」が痛まないように天候によって日よけのカーテンを開け閉めしたり、トマトの「根っこ」を元気にしてやらないと、おいしいトマトができないので、その管理にも非常に気を配ったり、抑制栽培といわれる秋から冬にかけて収穫する栽培方法の難しさなど、栽培の苦労話をたくさんうかがいました。
「ノムさんのトマト」は食感や料理への使いやすさを重視して、トマトの実に種が出来ないように、受粉作業は全て手作業で行うのも、大切なこだわりのひとつ。トマトは受粉の仕方で種の有無が決まるのです。
苦労がたくさんあっても、野村さんのトマト作りを支えるのは周囲からの評判です。プロの料理人から支持されるだけでなく、塩尻市内の小学校給食にも使われて、地元からの支持も絶大。子どもの心も掴んいました。
「野村さんは普段トマトをどうやって食べているのですか?」と聞くと、やはりおいしい素材はシンプルが一番で、生のままで食べることが最も多いとの返事。もちろん料理にも使うものなので、今回は、料理のベースとなる野村さんおススメの簡単・本格「ノムさんちのトマトソース」の作り方を教えていただきました。
ノムさんちの絶品トマトソースの作り方
材料(一人分)
ノムさんちのフルーツトマトとタマネギを4:3の割合で。
※今回は小ぶりのトマト5個と中玉のタマネギ6分の1個を使用
塩 適量
タカノツメ お好みで
レシピ
1、トマトとタマネギをミキサーにかける
2、火にかけ、お好みでタカノツメを入れて煮詰める
3、十分に水分を飛ばし、塩で味付けをして完成!
このソースは、そのまま使っても上品なうまみがあって本格的なおいしさですが、さらにアレンジをすれば、いつもの料理がぐっとグレードアップします。野村さんの家では、ひき肉を加えてミートソースにしたり、市販の麻婆豆腐のソースと一緒に加えたりするそうです。おいしそうではありませんか。
おいしいトマトを食べてください
これからトマトが市場にたくさん出回る季節。西洋ではトマトが赤くなると医者が青くなるという格言があります。カロテン、ビタミンB、C、E、各種のミネラル、有機酸など体によい栄養素をバランスよく含んだ夏に向けての野菜の代表がトマト。ほんとうにおいしいトマトの味をぜひ確かめてください。
「ノムさんのフルーツトマト」は、今月の末まで、JAタウンで販売中です。
・全農長野 僕らはおいしい応援団「野村農場」ノムさんちのフルーツトマト
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