これが あきたこまち の 種子
今年はいったいどんな気候なんでしょうか。初夏の陽気かと思えば寒の戻り。寒暖の差が大きく、ここ信州でも生産農家が気をもんでしまうような天候が続いております。
とはいえ、毎年の農作業、決まった時期に決まった作業というのは欠かすことができないのも事実。標高1000メートル近い、信州諏訪の高原地帯(富士見町)でも、米作りにむけた準備がすすんでおります。
4月中下旬には、水稲種子の播種(種まき)が行われます。JAの育苗センターに育苗を委託する農家の方もいますが、農家ごと親戚も協力しての作業が行われる昔ながらの風景も見られます。そんな一風景をご覧いただきましょう。
作業の手順を紹介しましょう
作業にあたり、JAで温湯消毒した種もみ(あきたこまち)を購入し、発芽を一斉に揃えるために、種を浸します。
浸す時間は、水温およそ10度で10日(積算温度が100度)ほど、芽が出揃ったところで、いよいよ種まきとなります。
育苗用のマットにたっぷりの水を浸み込ませ、育苗箱(30cm×60cm)1箱に、種もみをおよそ120g播いたあと、覆土(種もみを覆うための土)をかけます。
播種(種に土をかぶせる)
水稲播種機(左から右に流れる)
少し前まではマットの代わりに専用の土を使用していましたが、大変重くなるため、腰への負担が少ない軽量のマットを使用しています。この違いで後々の作業が随分楽になりました。
農作業ですから季節に合わせて
種まきも農作業のひとつですから、やはり季節感が重要です。
昨年は桜が満開の時期での作業でしたが、今年はちらほらと咲きはじめた程度、さらに除雪作業をしてからのこれまでに経験のない中での作業でありました。
種まき後は、水田の苗床(発芽させ田植えまでの苗を育てるところ)に育苗箱を伏せ込み(並べ)ます。
総出で伏せ込み作業(トンネル作成中)
本格的な春に変わるときの仕事
大規模農家ではパイプハウスなどで育苗しますが、小規模な農家は、水田内にビニールトンネルを作り、伏せ込みをします。本格的な春にかわろうとするこの時期は時折風が強く吹くため、トンネルを作るのも一苦労。育苗箱が軽くなったといっても、水田の中での作業は疲れます。みんなの協力でなんとかトンネルができました。
あとは、約1カ月先の田植えを待つばかり。といっても油断はしていられません。日中夜間の温度管理にも気が抜けません。
育苗トンネルの完成です
なにがあっても気は抜けない
トンネル内気温(最低12度 最高30度)に気を配りつつ、高温障害などにならないよう、たとえ、諏訪御柱祭の里曳きがあっても、いささかも気は抜けないのであります。
あわせて読みたい:
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