「こだわりが"ない"のがこだわりです」
JAグリーン長野 もも部会長 宮﨑淳一(みやざき・じゅんいち)さんを訪ねました。
宮﨑さんは就農12年目。2019年に発生した台風19号によって、桃の圃場では樹ごと・土ごと千曲川の濁流に流されるなど、大きな被害に遭いましたが「長野県NO.1の桃・ネクタリン産地を守ろう」と、復興のためにも注力しているおひとりです。
植えたばかりの若い木の園も含め、1.7haの農地で桃とネクタリンを栽培しています。
桃づくりのこだわりを聞くと、「こだわりが"ない"のがこだわりですね。いいものを育てるための情報があれば、何でも柔軟に取り入れようとしています」と笑います。
そんな宮﨑さんが取材日(2021年6月下旬)に行っていたのが、「袋掛け」作業です。
川中島白桃への袋掛け作業中の宮﨑さん
袋掛けは、果実を強い日差しや病気、虫などの外敵から守り、よりきれいな見た目の桃に仕上げるために行います一個一個にかけていくので、手間のかかる作業です。
7月中旬から下旬にかけて、品種ごとの収穫時期に合わせて、仕上げ作業に移ります。仕上げ作業は、甘さと色づきに不可欠である日光を桃に当てるため、袋を外し、反射フィルムを地面に敷きます。
「近年、収穫の時期っていえば雨が降るんですけど...、梅雨明け後、収穫までの間は桃にとって雨は要らないんです。晴れの日が続くことを祈るばかりです」(宮﨑さん)。
JAグリーン長野もも部会が主力とする品種の収穫・出荷は、7月下旬から「あかつき」「川中島白鳳」、8月上旬に「なつっこ」、8月中下旬から「川中島白桃」「黄金桃」が始まる予定です。
生産者のみなさんの努力の結果が、収穫という形で、目の前に迫っています。