猛烈な暑さが続いています。店頭には秋に向けて早生のリンゴが並び始めています。
近年は保存技術が高まり、春先になっても生食のリンゴを購入することができるくらいですが、食感や味の面で微妙な点は否めません。
そこで産地では加工品に目を向けるわけで、リンゴならジュースにするのが早道。さらに進んでシードルにして、いっそうの付加価値をつけようとする動きもあります。
本サイトでもJAみなみ信州青年部果実班の取り組みなどを紹介しています。
シードルは、サイダー、リンゴ酒などとも呼ばれるお酒です。リンゴジュースをたくさんもらったので、個人的にシードル作りを試してみました。
ネットで検索してみると、いろいろな方が報告しています。いまひとつ奥歯にもののはさまったような表現が目立つのは気のせいでしょうか。
日本では家庭でお酒を造ることは酒造法絡みで制限があり、具体的にはアルコール度数1%未満にする必要があるようです。
筆者の年代だと、社会運動家の故・前田俊彦氏が提起した「どぶろく裁判」が思い出されます。
筆者の場合、「酒」というより炭酸飲料のようなシュワシュワ感が欲しいのですが…
余談はこれくらいにして製造に入ります。
用意するのは、ふたのついた空き容器(炭酸飲料のペットボトルが便利)、リンゴジュース、ドライイースト。空き容器は、よく洗っておくこと。
今回は1リットルのリンゴジュースを用意。発酵すると泡が出るので、中身を少し減らしてからイースト(小分けにしてある3gを全部)を入れ、ラップで軽く覆って暗所に。
せっかくなら発酵で出る泡を溶け込ますといいのではないかと、きつく栓をしておいたら留守中に暴発して吹きこぼれ、中身が半分ほどになってしまったことがありました。
欲張らないことが大切です。
1週間後がこの状態。飲んでみると甘さはなく、確かに発酵しているようです。ラップで覆っただけですが発泡感もあります。冷やせば酷暑の中、おいしくいただけそうです。
いっそう磨きをかけるべく、密閉できるふたつきのペットボトルに移し、追加発酵のために砂糖(グラニュー糖)を加えます。
「アルコール度数1%未満」ということで10g入れてみました。
1週間ほどおいたのがこの状態。
ネット情報によると1カ月ほど寝かせておくそうな。そこまで待てないので、冷蔵庫に入れて冷やし、飲んでみました。
コップに注ぐと白い泡がぐっとたち、清涼感も満点です(冒頭の写真)。ほとんど手が掛からない割には上出来ではないでしょうか。
リンゴジュースでできるのなら、ほかのジュースだとどうなるのでしょうか。ジュースといわず、糖分ならいいわけで、米なら、麦なら…
なるほど裁判にもなるわけだ、と思いました。
リンゴジュースに戻ると、イースト菌を使ったせいか、どことなくパンのような味わいが残ります。ここは本物のリンゴ酵母を使うべきでしょう。
次の課題としたいと思います。