桃のシーズンもいよいよ終盤。お盆過ぎから9月上旬にかけて出荷される桃が、人気のブランド「川中島白桃」です。
朝6時半、川中島白桃の収穫をするJAグリーン長野もも部会部会長、橘田龍一(きった・りゅういち)さんに話をうかがいました。

桃の収穫は、手の感触も大切
「川中島」といえば、みなさんにも聞き覚えがあるのではないでしょうか? そう、上杉謙信と武田信玄の「川中島の戦い」の地です。
川中島は長野市南部、長野IC周辺の川に囲まれた平野部を指します。ここは川中島白桃の発祥の地であり、その伝統を守り今でも中心的な産地です。

今回は、その収穫の様子をご覧ください。

「桃はデリケートだから、優しく収穫しないとね」と言いながら、橘田さんは一玉ずつ丁寧に手で収穫していきます。

目で見て色の確認をするのはもちろん、手触りも収穫の目安になります。
産毛のチクチクが気になる桃、「(収穫時に)手袋はしないんですか?」とたずねると、
「とんでもない(笑)! 産毛の様子も品種によっては収穫の目安になるので、手袋はしません」とのこと。

鳥の巣を発見、たまーにこんなことも。「巣に気づかずにつつかれちゃうこともある」と橘田さん。

もいだ桃は手元のかごに入れていきます。「静かな環境で、自分のペースでできる」ことが桃栽培の良いところだと橘田さんは言います。

収穫した桃は並べて選果。

朝日に照らされてお行儀よく並んだ川中島白桃、美しい…。

別アングルからも。「きれい!」整然と並んだ桃を見て、思わず歓声を上げてしまいました!

筆者も収穫に挑戦させてもらいました。「手首のスナップを利かせて取るんだよ」と教えてもらいながら、おそるおそる収穫。
ほかの果物に比べて柔らかく、にぎると跡になってしまうため、うまく力が入らない!
かなり悪戦苦闘しました。やはり経験とコツが必要ですね…

かたい桃が好きな方は、すぐに食べればほどよい歯応え。やわらかい桃が好きな方は、常温で様子を見ながら追熟すれば、甘くてなめらかな口当たりに。
もともと実がかたく、追熟しない品種の桃もあるなかで、川中島白桃は好みの食べ頃を選べる桃だと思います。
川中島白桃が出回るのは9月上旬まで。桃シーズンの締めくくりに、ぜひ召し上がってください!