第一走者「幸水(こうすい)」
8月、まだ夏の暑さが残る頃。梨リレーのスタートを切るのは幸水です。
「シャキッ!」とひと口かじると、果汁があふれて止まらない。酸みはほとんどなく、とにかく甘い。「これが食べたくて夏を待ってた!」というファンも多いんですよ。

某年8月下旬、南信地域の直売所「りんごの里」で幸水をゲット!
かじった瞬間、果汁があふれて、まるで天然ジュース。
「朝晩の寒暖差が甘さを作るんですよ」と、以前取材した農家さんが話していたのを思い出しました。なるほど、深まる秋が梨に染み込んでいるんですね。
第二走者「豊水(ほうすい)」
9月になると、「豊水」がバトンを受け取ります。
幸水よりちょっと大きめで、甘みと酸みのバランスが絶妙。ジューシーで力強いおいしさに、秋が深まっていくのを感じます。

某年9月、長野市の直売所「アグリながぬま」で豊水を発見。幸水よりひと回り大きく、ずっしりとした重み。ひと口かじると、甘みの後から酸みが追いかけてきました。
農家さんいわく「豊水はコクがあるから、梨好きにはたまらない」。確かに、ただ甘いだけじゃない、奥行きのある味わいでした。そのバランスが絶妙で「秋の梨だなぁ」と感じました。

第三走者「南水(なんすい)」
そして9月下旬。長野県オリジナル品種の南水が登場します。
南水は長野県南信試験場で誕生した南信州生まれの赤梨で、数ある和梨の中でも平均糖度14度以上とトップクラスの甘さです。
濃厚な甘さとさっぱり感を兼ね備え、梨リレーの締めくくりにふさわしい存在です。 しかも日持ちが良いから、長期間楽しめます。
実は毎年、ナシが大好きな我が家では梨を購入し食べています!(※令和6年度9月中旬頃に撮影)
某年10月に食べた南水は、果肉はしっかりして、口に入れると驚くほど甘い! 農家さんが「梨リレーのアンカーです」と笑っていたのが印象的でした。
長野の梨はなぜおいしい?
長野の梨のおいしさは、自然と人の力のたまものです。
- 昼夜の寒暖差
- 水はけの良い土壌と澄んだ空気
- 丁寧な手仕事
そのすべてがひと玉の梨に凝縮されています。
おいしい梨の選び方と保存方法
選ぶ際には、見た目・重さ・香りの3つが重要です。
まず見た目。果皮にハリとツヤがあり、表面がなめらかでシミやキズがないものを選びましょう。
次に重さ。手に持った時にずっしりと重さを感じる梨は、果汁が豊富な証拠。
そして香り。熟した梨は香りが強いので、選ぶ際にはチェックしてみてください!
保存する際には、乾燥を防ぐため新聞紙で包んでからポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に入れます。涼しい時期であれば冷暗所でも大丈夫ですが、基本的には冷蔵庫の野菜室に入れると鮮度が保てます。
生で食べるのが一番ですが、サラダやスムージー、ジャムなどに使うのもおすすめです。
ジャムにすると長期保存ができるのでおすすめです!
ヨーグルトに梨ジャムをのせて食べてみました!酸味と甘みのバランスがgood!
梨リレーで長野の秋を味わおう
振り返りながら書いているうちに、梨を頬張ったあの瞬間のさわやかさがよみがえってきました。
「幸水 → 豊水 → 南水」とバトンがつながっていくおかげで、私たちは夏から晩秋まで梨を楽しめるんですね。
旬の梨を食べ逃せば、次に出会えるのは1年後。今年はリレーを追いかけて、3つの味を制覇しなきゃ!
今は豊水が旬を迎えています!農家さんが愛情込めて育てた梨を存分に味わってほしいです