みなさん、このハート型をしたぶどうをご存知ですか。
これは「マイハート」という珍しい品種です。とてもかわいいですよね💛
マイハートってどんなぶどう?
マイハートは、山梨県苗吹市でシャインマスカットとウインクを交配して生まれた品種で、果粒がハート形なのが最大の特徴です。
9月下旬から10月に収穫される晩生種。果皮は赤紫色で、ひと粒あたり15~20gと大粒。糖度が高く、甘みが強く、酸味が少ない。種なしで皮ごと食べられるのも魅力です。
長野県内で栽培されている農家さんはわずかです。
ハート型がかわいい!食べるのがもったいない~
須坂のマイハート生産現場を直撃!
今回は「フルーツ王国」と呼ばれる長野県須坂市「カネ十農園」の藤沢拓也さんのもとへ取材に行きました。
須坂市は雨が少なく、日照時間が長く、昼夜の寒暖差が大きく、果実が甘くなるための条件が整い、りんごとぶどうを中心に、なしや桃、プルーンやネクタリンなど、さまざまな果実生産が盛んです。
「カネ十農園」広報担当の藤沢拓也さん。「マイハート」の栽培に6年携わっています
取材に行ったのは11月ですが、カネ十農園の圃場には、かわいいハート型のぶどうが実っていました。
「9月下旬から10月に収穫される晩生種」と前述しましたが、今年はぶどうの色づきが悪いので、様子を見ながら収穫しているとのこと。
春から芽かき、房切り、粒を整える摘粒作業、袋かけや傘かけ、枝整理などを進め、秋に収穫し、JAながの集出荷センターでの品質検査を経て、須坂市内の直売所や飲食店へ出荷されます。
ぶどうはとてもデリケートで、直に触れると劣化が早まるため、できるだけ房に触れないように袋をつけたまま作業をします。
このかわいいハート型のぶどうが作られる生産現場を直撃!
カネ十農園とは
農園主は、拓也さんの父である茂樹さんです。元JAながの営農技術員である茂樹さんの祖父が70年前に就農し、果樹農園として経営が始まりました。
「かねじゅう」は農園の屋号です。現在、農園では、りんご、ぶどう、さくらんぼをメインに栽培しています。
拓也さんは県外の会社を退職後、2021年に就農し、広報担当としてカネ十農園について日々SNSで発信しています。
就農したきっかけを聞いてみると、2020年から新型コロナウイルスが流行して在宅が推奨された際に「おうち時間で楽しむことって何だろう?」と考え、食について見直したと言います。
「食は、人を楽しませ、笑顔になるきっかけを作るのだと感じました」。そして、消費者においしい農産物を届け、笑顔になってもらえたらと考えて就農を決めたそうです。
「安全・安心な農畜産を作るには一つひとつの工程がとても大切。お客さまから『おいしい』との声を聞くと、もっとがんばろうと作業に力が入ります」
マイハートを食べてみた!
マイハートは皮ごと食べられます。「パリッ!ジュワー!」ひと粒食べると甘い果汁とさわやかな香りが口いっぱいに広がります。
果粒を半分に切るとハート形。そして並べるとクローバー形になって、とてもかわいいです。炭酸漬けにして食べるのもおすすめですよ!
断面は宝石のようにキラキラ。並べてクローバー形に。これを見た読者のみなさまに幸せが訪れるかも!?
最後に…
今回は「マイハート」を取材しましたが、ぶどうにはまだまだ知らない品種があって、品種ごとの特徴があり、味わいだけでなく形でも楽しむことができるのだと感じました。
マイハートは、カネ十農園のオンラインショップや須坂市の飲食店でも販売されています。見かけたら、ぜひおいしさを堪能してみてください!