米穀

和食でもスイーツでもおいしい!白馬村特産品の古代米「紫舞」

20211027pro01古代米とは、私たちの祖先が栽培していた、いわば「古代の稲の品種」が持っていた特色を色濃く残した稲のことです。
健康や美容効果に注目が集まり、ひそかに今、古代米の人気が高まっています。
今回はスキーなどで有名な白馬村の特産品である古代米「紫舞」の紹介です。
紫舞とは、標高約760mに位置する白馬村青鬼(あおに)地区で栽培されている紫米の商品名です。

20211027pro02道の駅 白馬HPより

鬼伝説が伝わる土地で紫米は育ちます

白馬村では米の生産が盛んなため、他品種の米と交配しないように、地理的に独立した青鬼地区で紫米が栽培されるようになりました。

ちなみに、「青鬼」という地区名の由来として、昔、隣の鬼無里村(現 長野市鬼無里地区)から追い出された鬼が青鬼地区にきていい鬼(善鬼)になった、という昔話があります。
(参考:『青鬼の民話4 岩戸洞くつと青鬼』より一部抜粋)

青鬼地区には伝統的な茅葺き屋根の建物があり、国の「重要伝統的建造物群」に認定されています。
その中のひとつ「お善鬼(ぜんき)の館」は一般に公開されている唯一の施設です。

20211027pro08茅葺き屋根(現在は鉄板被覆)の「お善鬼の館」。囲炉裏や厩を再現し、交流・体験施設になっている
提供:白馬村役場

青鬼地区の景観を守りたい

青鬼地区は農水省の「日本の棚田百選」に選ばれている名所です。20211027pro07提供:白馬村役場

紫米生産者の山本利光(やまもと・としみつ)さんの田んぼに伺いました。

20211027pro032021年10月3日撮影

20211027pro06稲刈り前の様子

青鬼地区出身の山本さんは、子どものころから家の田んぼの手伝いをしてきました。
元々は白米を栽培していましたが、白馬村役場から紫米を栽培しないかと誘われ、平成4(1992)年から栽培を始めました。現在は3反(30a)の田んぼで紫米を栽培しています。

20211027pro09稲刈りをする山本さん家族ら

「現在は紫米の生産者はわたしを含めて2人だけです。年を重ねると栽培が大変になってきますが、生まれ育った棚田の景観を守るため栽培に励んでいます」

栽培してくれる方がいるおかげで、このきれいな風景を見ることができるのですね。

ちなみに紫米の稲を観察すると、白米の稲と比べて少し黒いことに気づきます。籾を剥くと紫色の玄米が出てきます。

20211027pro04紫米の稲

20211027pro05籾を剥くと、紫色の玄米(下)が出てくる

「ぬかの部分にアントシアニンが含まれているから紫色です。精米すると白いお米になるんですよ」

もちもちでおいしい「紫舞」

「古代米にもうるち米ともち米があるのですが、『紫舞』はもち米です。粘りのある食感でおいしいですよ」

白米(うるち米かもち米)1合に対して、「紫舞」大さじ1程度を混ぜて炊きます。

20211027pro10一晩水に浸水すると色がよく出ます。
炊き上がると全体が紫色になります。


「赤飯のような味なので、ごま塩を振って食べてください。おにぎりがおすすめです」

食べてみると、確かに赤飯みたいな味がします。赤飯は作る時に小豆を煮たりと手がかりますが、「紫舞」は白米に少し加えて炊くだけなので、簡単でいいですね。

20211027pro11

紫米には白米に比べ、たんぱく質、ビタミンB1・B2、ナイアシン、鉄、カルシウム、マグネシウムなどが豊富に含まれています。また、色素のアントシアニンは抗酸化成分ポリフェノールの一種です。紫外線などのダメージから自らの体を守ったり、血管を保護し、動脈硬化を予防する働きや、老化防止・発ガン抑制にも効果があると言われています。
手軽に栄養が摂れるのもうれしいですね。

スーパーフードをお土産に

紫米を使用した加工品は、日本酒(白馬紫雲)や、そば、うどん、チーズケーキなど多方面にわたっており、販売もされています。

中でもおすすめなのが、長野県の郷土料理・五平餅を紫米とJA大北産の白米で作った「紫米五平餅」です。

20211027pro12

甘じょっぱい味噌だれと相性抜群です。

栽培する風景を愛でるもよし、食べるもよし。食べておいしく、体にうれしい紫米。白馬村にお越しの際はぜひご賞味ください。

【「紫舞」や紫米五平餅を購入できるところ】
道の駅 白馬
JA大北農産物直売所ええっこの里

参考リンク:
農水省ウェブサイト「古代米とは」

こちらは の記事です。
農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

「紫舞」や紫米五平餅を購入できるところ

白馬村大字神城21462-1

道の駅 白馬
スクリーンショット 2021-10-28 11.08.52

「紫舞」や紫米五平餅を購入できるところ

大町市常盤6367-26

農産物直売所「ええっこの里」
スクリーンショット 2021-10-28 11.36.44
この記事を書いた人

ゆっけ

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