姨捨の棚田から見た中秋の名月
9月10日は中秋の名月。コロナ禍で2年ぶりの開催となった姨捨の観月祭に行ってきました。
姥捨の観月祭、月と夜景と
信州・姨捨(現在の行政区画だと千曲市)といえば、言わずと知れた月の名所。「田毎の月」といった棚田の風景とともに詩歌や絵画に古来、取り上げられてきました。2020年には文化庁の「日本遺産 月の都千曲」として認定され、立派なホームページもできています。
と、ここまで書けば周辺情報を含め、紹介は終わったようなものです。
以下、拙い写真とともに個人的な感想を。
2年ぶり、しかも前日まで断続的に雨模様で曇りがちだったこともあってか、はたまた夜市などイベントが重なったせいか、多くの人々が集まり、ふもとに用意された駐車場は満杯でした。現地にたどり着くのに苦労しました。
眼下に長野盆地を見下ろす姨捨の棚田
10月10日までフットライトをともして「ムーンウォーク」も開催しています
薄暗くなるころ、なんとか現地に。はた、と気づいたのは現地の地理に詳しくはない、ということです。棚田の主な道沿いにはフットライトがともり、10月10日まで「ムーンウォーク」を開いていますが、不案内の暗闇の中では…。準備不足を痛感しました。
顔を出した中秋の名月
午後6時半過ぎ、足元の千曲川をはさんで対岸の山(鏡台山ということになっていますが、撮影した位置のせいでしょうか、違うような…)からオレンジ色の大きな月が昇ってきました。
見るのは簡単ですが、写真に撮るのは…。
改めて後悔しました。
棚田を守るため、あぜ道などは三脚禁止なので、舗装された通路に三脚を置いてなんとか撮りました。これで勘弁してください。
棚田の上部を望む。中央上が姨捨駅、左のオレンジのライトは姨捨SA
棚田の水源にも足をのばす
夜景ばかりでは様子がわかりません。
翌日、昼間に再訪してきました。日曜でしたが今度は駐車場が余裕で助かりました。
姥岩の上から見た昼間の棚田
棚田の中央に顔を出す姪石。姥岩とともに土石流で流されてきた三峯山の火山噴出物だそう
棚田から長楽寺を望む(中央右が本堂、同左が月見堂、奥に立っているのが姥岩)
近くで見る姥岩。右は観音堂
棚田オーナーの名札が立っています。今年(2022年)は9月24日に稲刈り、10月8日に脱穀を行うそうです。
姨捨の棚田は南にそびえる姨捨山(冠着山、標高1252m)のふもとに広がる、と紹介されることが多いのですが、実際は南東の三峯山から流れてきた土石流によってつくられたそうです。
棚田の中央にある姪石(めいし)や脇の長楽寺の姥岩といった巨岩は、その時運ばれてきた火山噴出物の名残なんだとか。
実際、棚田が取水している更級川の水源は三峯山のふもとの大池。東側の山腹から湧き出しています。
せっかくなので行ってみました。
棚田の水源となっている大池。3つに分かれており、これは一番上の上池
三峰山ふもとの水源地。祠の奥の崖から水が染み出しています
流れ出す水のアップ。この水が姨捨の棚田をはじめとした下流の田畑を潤しています
前記HPには1週間ほど前に行われた「弁財天祭り」の様子が紹介されています。
途中にある三峯山への案内標識。「約1時間45分で山頂」とあります。反対側の麻績村・聖高原に回れば、スキー場のリフトで山頂まで簡単に行くことができますが、自分で登れば山頂の展望台からの眺望もひときわ印象に残るかもしれません。機会を見て挑戦しようと思います