信州の伝統野菜のひとつ、ぼたんこしょう。唐辛子の類で、実の形が牡丹の花に似ていることから、この名がついたとか。ピリッとした辛さの中に果肉の甘みがあるのが特徴です。
長野県北部、斑尾山(まだらおさん)の麓にある、ぼたんこしょう畑
標高1000m近くの冷涼な場所で育てると辛みが出る
「斑尾ぼたんこしょう保存会」の大内ふじ子(おおうち・ふじこ)会長と松野冨子(まつの・とみこ)さんにおすすめの食べ方をうかがいました。
ぼたんこしょうのおいしい食べ方
ぼたんこしょうは、野菜炒めに入れたり、素揚げ、煮浸しなど、いろいろな食べ方ができます。特におすすめの食べ方を2つ教えてもらいました。
ぼたんこしょうを網の上で表面が焦げるくらいに焼くと香ばしく、ピリッとした辛さを感じて、ビールのおつまみに最高です。
松野さんとぼたんこしょうの丸焼き
豪快に中を開きます
醬油をたらしたら完成。隔壁と種、種の内側にある「わた」はとても辛いです! 辛いのが苦手な方は注意してください。
続いては、ぼたんこしょうの辛味と夏野菜の香りが食欲をそそる「やたら」です。いわば野菜のフレッシュふりかけといったところ。熱々のご飯にたっぷりかけて食べると、ご飯がすすみます。
やたらをかけたご飯
[材料(4人分)]
ぼたんこしょう 1個
みょうが 4個
丸なす 1/3個
大根の味噌漬け 30g
※好みでそれぞれの量を調整してください
※味噌漬けがない場合は、醬油を適量かけてください
[作り方]
1.材料をみじん切りにする
2.ボウルに(1)を入れ、食べる直前によく混ぜ合わせる
ぼたんこしょうを守りたい
斑尾ぼたんこしょう保存会は、平成20年に松野さんが発起人となり、会長の大内さんも中心となって結成しました。
「辛くなかったり、変な形のぼたんこしょうがたくさんできて危機感を感じました。ぼたんこしょうがほかの作物と交配するなんて知らなかったので、守っていかないと、と思いました」
現在は20名を超えるメンバーとともに、ぼたんこしょうの採種や栽培に加え、加工品作りや地元での料理講習会など多彩な活動をしています。
「ぼたんこしょうが繋いだ縁を大切に、これからも活動を続けていきたいです」(大内さん)
ぼたんこしょうは例年7月中旬から10月下旬まで出荷され、直売所でも販売されます。ピリッと辛いぼたんこしょうで暑い夏を乗り切りましょう。