「農業高校生の青春チャレンジ」は、長野県内の農業高校の生徒が「2024年に形にできる具体的な目標」を設定し、JA長野県のサポートを受けながら取り組んでいくプロジェクトです。
2022年からはじまったこの企画も、今年度で最終年を迎えました。各学校ではチャレンジ達成のため、高校生たちは新たな挑戦をしています。
その様子をabn長野朝日放送で放送するとともに、番組公式のインスタグラムとX(旧Twitter)では、プレゼントキャンペーンを実施しています。
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10月5日(土)に第5回目が放送されます。今回は、下高井農林高校、須坂創成高校、南安曇農業高校、上伊那農業高校の取り組みを紹介します。
これまでの取り組みについては、過去の記事をご覧ください。
・第1回|丸子修学館高校・上伊那農業高校
・第2回|須坂創成高校・木曽青峰高等学校・下伊那農業高校
・第3回|更級農業高校・富士見高校・塩尻志学館高校
・第4回|佐久平総合技術高校・南安曇農業高校・下高井農林高校
下高井農林高校|学校オリジナル「みゆき農林ポーク」を育てよう!
下高井農林高校 産業創造コースでは豚の飼育に取り組み、高校オリジナルの新しい「みゆき農林ポーク」を育て、ブランド化を目指しています。
今年度は豚を6頭買い入れ、2年生が飼育、3年生が課題研究に取り組んでいます。
昨年度は、エサを乾燥させた状態で与えていましたが、今年度はエサに水を加えています。こうすることで豚がよりエサを食べるようになり、発育が良くなります。
その成果もあって、今年の豚は昨年度の同じ時期よりも10㎏ほど体重が重いとか。体重測定では、豚を体重計にのせるのも、ひと苦労。一生懸命、誘導していました。
体重測定へ!豚さん乗ってください~!
こんにちは!とあいさつしてくれました(笑)かわいい~!
3年生は「みゆき農林ポーク」を作るための研究に取り組んでいます。
飼育環境によってどんな変化があるのかを見るため、小屋で飼育する豚には専用飼料として、にんじん、ほうきもろこし、米ぬかを混ぜて与えています。
屋外飼育の豚は、土の上で運動させながら、エサは配合飼料とトマト、じゃがいもを混ぜて与え、観察します。
エサに水を入れて混ぜる
にんじんや小松菜、トマトなどを切って混ぜる
生徒たちは学校オリジナル「みゆき農林ポーク」の生産を目指し、そして飯山の大切な畜産を守るため「未来へつなげていきたい」という思いで飼育に取り組んでいます。
須坂創成高校|オリジナルのドライアップルを作ろう!
須坂創成高校が目指すのは、長野県オリジナル品種「シナノリップ」で学校オリジナル「ドライアップル」を作りフルーツ王国を盛り上げること。
昨年は長野県農村工業研究所(以下、農工研)の研究員である滝沢潤さんの協力のもと、無調味ドライで商品化を目指すことになりました。
今年4月に青チャレのバトンは新3年生の7人に引き継がれました。8月には、自分たちで栽培したシナノリップを使ってドライアップル作りが始まりました。
無調味乾燥型のドライアップル
これまでで一番おいしいドライアップルを作りたいと、生徒たちは力を入れています。無調味ドライのサイズは去年より小さくし、食べやすくしました。
真空状態にすることで、りんごの中の空気を抜き 、水をりんごに浸透させます。りんごの皮をむき、芯をくりぬき、8分の1に切り、真空パック機に入れます。空気が抜けると、りんごの中に水が浸透し、徐々に透明度が増していきます。
夏りんごの付加価値アップという地域課題に挑む須坂創成高校の青春チャレンジ。活動は最終章へ近づいています。
農工研の滝沢研究員(後方左)と須坂創成高校3年生の7人、農工研の宮尾部長も一緒に
南安曇農業高校|ひまわりで迷路と石けんを作ろう!
南安曇農業高校では、遊休水田を活用するため、農業土木の測量技術を使ってひまわりの迷路を作り、さらに、ひまわりの種から油を精製し、商品化を目指しています。
ひまわり迷路は新3年生が引き継いで、今年も制作を行いました。昨年の取り組みでお世話になった「JAあづみ くらしのネットワークあんしん」のみなさんをご招待して、2年生も一緒に迷路を体験してもらいました。
そして今年の新たな挑戦は、昨年採取したひまわりの種から精製した油を使って、燃料と石けんを作ること。
まずは燃料作り。有機溶剤のメタノールに水酸化ナトリウムを溶かし、油に混ぜて攪拌すると、20分ほどでグリセリンが分離し、バイオディーゼル燃料ができあがります。
完成した機械燃料
次に石けん作り。蒸留水に水酸化ナトリウムを溶かし、油に混ぜて攪拌すると、20分ほどで乳化が進みます。 これを使用済みの牛乳パックに入れ、しっかり固まらせると石けんの完成です。
泡立ちの良い石けんの完成
できあがった燃料でエンジンを動かしてみました。ひまわり燃料を10%混ぜた軽油をタンクへ注入し、イグニッションキー(機械の点火スイッチ)を回すと...、見事にエンジンがかかりました!
※動かないトラクターで実験しました。エンジンはかかりますが、トラクターは走りません。
今後は、今年採取するひまわりの種から食用油を作ることを目指します。
ひまわり燃料のチャレンジに取り組んだ3年生6人
上伊那農業高校|「上農牛児」たちの新たなチャレンジ
上伊那農業高校では当初、自分たちで育て、出荷した先の肥育農家で、さらに育てられた牛を買い取り、最高級の「上農ハンバーグ」として商品化することを目指していました。
ですが、県外への研修をきっかけに「信州プレミアム牛肉を食べて味を知ってもらい、未来の消費者を育成することで、将来の和牛の消費拡大につなげたい」と目標を変更。全校生徒に焼肉として提供することになりました。
そこで上伊那農業高校で生まれ、先輩が育てて出荷し、農家さんに肥育された牛をクラウドファンディングで得たお金で買い戻し、学校で食べる「和牛の日」プロジェクトを実施しました。
上伊那農業高校で飼育した「上農さつき」のA5ランク牛肉!
こんがり焼けたら、そろそろ食べ頃。それぞれ自分の家から持参した白飯にのせて、いよいよ実食。初めて信州牛を食べるという生徒も多くいました。
昨年、このイベントを開催した動物コースの2年生は、今年は3年生として和牛飼育の責任を担っています。青チャレの挑戦が進路を考えるきっかけとなり、農家の夢を抱いた3人がいます。
1人目は、日野要(かなめ)さん。「卒業後は農業大学校で学んで、ゆくゆくは自分で牧場をもち、自分で育てた牛を地域のみなさんに食べてもらって、消費拡大につながればいいなと思っています」
2人目は、寺平かいりさん。「将来は自分の牧場をもって、アニマルウェルフェア(動物福祉)に基づいて和牛を育てたい。まずは大学でしっかり学びたいと思います」
3人目は、荻原大成(おぎはら・たいせい)さん。「家は酪農家です。教員を目指してこの学校に入りましたが、牛と接していくうちに、将来は自分の家を経営したいと思うようになりました」
青チャレとともに歩んだ学校生活で、農家になることを夢に抱いた3人。「この活動に取り組むことができてよかった」と熱く語ってくださいました。夢を叶えるために、3人の物語が始まります。
左から日野要さん、萩原大成さん、寺平かいりさん。農家を目指す3人です
最後に…
JA長野県グループでは、農業について学び、目標に取り組む高校生を応援したいと思い、取り組みを行なっています。番組を通して、長野県の農業や農業高校について知っていただき、応援していただければうれしいです。
みんなで一緒に農業を盛り上げていきましょう!
今回取材した内容は、10月5 日(土)15時30分からabn長野朝日で放送します。当日は見られない方もYouTubeで動画配信を行う予定ですので、楽しみにしていてください。
番組公式のインスタグラム・X(旧Twitter)で、プレゼントキャンペーンを実施しています。長野県内の農業高校の取り組みと、JA長野県グループについて知っていただく企画です。ぜひ、ご参加ください。