リンドウの花は信濃に帰ってきつつあります

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写真提供 JA志賀高原

「みすずかる 信濃の国」という言葉が古くからあります。「みすずかる」とは「竹や笹の生い茂る」というイメージです。そしてこのみすずかる信州の大地に自生する花の代表であり、長野県を象徴する花として「県花」にも指定されているのがほかならぬ「リンドウ」の花です。

秋になると、晴天の青空のもとで開花する紫色の気品あふれる花は、県民にとっても、今これをお読みのみなさんにとっても、おそらく馴染みの深い花のひとつかもしれません。上の写真は、昨年の秋に志賀高原で咲いたリンドウの花です。

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リンドウの花が咲きほこる郷をわたしたちの手で呼び戻そう
上信越高原国立公園の中央部に位置する志賀高原(下高井郡山ノ内町)にも、かつてはリンドウがたくさん自生していました。ところが、農業が興隆し、スキー場がつくられるなどして、定期的な草刈がおこなわれるような時代の流れにともない激減。そこで、その姿をいま一度復活させようと「りんどうの郷づくり」事業が3年前からはじまりました。


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今年も6月中旬の土曜日に、志賀高原の「熊の湯温泉・ほたる温泉」地区で、恒例となったリンドウの苗の定植が行なわれました。「りんどうの郷づくり」事業では、これまでに約4万6000本のリンドウの苗を植えてきており、志賀高原には花たちが帰ってきています。

志賀高原をリンドウの花で埋めつくすこの取り組みを1年目からご紹介している当「長野県のおいしい食べ方ブログマガジン」では、今年もその成長の記録を紹介いたします。

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今年植えられたばかりのリンドウの子どもです。
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昨年植えられて2年目のもの。
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そしてこれが3年目のリンドウ。

すくすく育っています
リンドウの再生を願って、咲き誇る花でこの地を訪れる人々を向かえようと取り組みをはじめたのは、地区の人々で構成される笠岳会や和合会、JA志賀高原といった集まりの人たち。今年もリンドウの可愛い苗約1万3000本が笠岳会や和合会、JA関係者、旅館、ホテルの宿泊客など、約90人の手で植えつけられました。

植えつけは、国道292号沿いで400平方メートルの園地や、近くのスキー場の周辺。参加者のみなさんはスコップで土を掘り「はやく大きくなーれ」と声を掛けながら丁寧に一本一本苗を植えつけていました。昨年に引き続き今年も植えつけに参加した小学生は、あらためて数センチ成長した苗を確認すると「大きくなった」と笑顔で喜んでいました。

今年は咲きそうです
リンドウは植えてから3年で花を咲かせると言われていますので、主催者によると「今年はそろそろ、咲くのでは」と夢をふくらませています。早ければ今年の8月下旬から9月ごろには、志賀高原では、たくさんの人の願いとともに植えられたリンドウたちにも、あざやかで気品のある素敵な花たちを見ることができるかもしれません。

長野県のおいしい食べ方アーカイブからの過去記事:

indexarrow.gif 「志賀高原にリンドウの花が咲くとき」(2006年6月21日)

indexarrow.gif 「高原にリンドウの花が咲きほこる日を夢見て」(2007年6月27日)

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