上信越高原国立公園の中央にある志賀高原(下高井郡山ノ内町)の「リンドウの郷づくり」のことは、昨年の今ごろにも一度当ブログでお伝えしたことがあります。もちろんはじめて聞く方も多いはずですし、1年たった今、あの志賀高原のリンドウはどうなっているのかと思いを巡らせている方もいないとは限りませんので、経過報告も兼ねて志賀高原を再訪しました。
もともと志賀高原には自生のリンドウが数多く生息していたのですが、急激な開発などによりいつしかその数が激減してしまったのです。そこで、リンドウをかつてのように咲き誇らせようと、昨年からはじまったのが「リンドウの郷づくり」事業です。今年は6月23日(土)に"熊の湯温泉"、"ほたる温泉"地区で、りんどうの植栽が行われ、関係者などのほか宿泊客の方々も参加されました。
今年は1万3000本
取り組みを主催するのは、JA志賀高原と同地区の旅館などで組織する笠岳会の人たち。この日に備え、志賀高原の野生のリンドウから採取した種子を愛知県の施設で苗に育てました。その数1万3千本。当日は午前10時から総勢100人の参加者が、スコップ片手に苗をていねいに植えていきました。
植えつけを行ったのは、ささやぶを開いて作った400平方メートルの園地。昨年と今年をあわせて、園地は900平方メートル、植えた苗の数は3万3000本となりました。また、園地のほかに近くのスキー場のゲレンデ脇などにも植えつけられました。
花が咲くまで今しばらく
今年は苗の植えつけに加えて、昨年植えた園地の草取りも同時におこなわれました。リンドウの成長に合わせて雑草も伸びてしまったからです。いったい昨年植えたリンドウは、1年でどの程度成長したのでしょうか? 上の写真が今年植えつけたもので、左下の写真が昨年植えつけたリンドウの今年の様子です。苗と比較してみると、その成長ぶりがはっきりとうかがえますね。
リンドウは「花をつけるまで3年かかる」と言われています。そのため、昨年植えたものは2009年に、今年植えたものは2010年には花を咲かせるでしょう。JA志賀高原と笠岳会では、来年以降もこの取り組みを継続していく意向ですので、無数に咲く紫色の花が志賀高原を訪れる皆さんの目を楽しませる日が来るのもそう遠い未来の話ではなさそうですね。
関連記事:志賀高原にリンドウの花が咲くとき[2006年06月21日]