新たな軽井沢ブランドに。天然水と国産大豆の手作り豆腐

白ほたる豆腐店

長寿食とも言われ、古くから健康食として親しまれてきた豆腐。高タンパク・低カロリーな豆腐は、血圧やコレステロールの低下、美肌、肝機能の向上など、さまざまな美容・健康効果が期待され、注目を集めています。

自然豊かな南軽井沢の豆腐屋さん

白ほたる豆腐店

秋涼の候、霧が立ち込める日の出前、日本有数の観光地として名高い軽井沢町にやってきました。実はこの地に、Iターンで移住し、豆腐の原料栽培から製造・販売まで、真摯に取り組むご夫婦がいるのです。

軽井沢高原のほたるの里として、夏になると天然の蛍が飛び交う発地(ほっち)川ほとりに、そのお店はありました。その名も「白ほたる豆腐店」。森友実(もり・ともみ)さんと、ご主人の雄大(たけし)さんご夫婦が、2013年3月に開いたお店です。

豆腐づくりは早朝からはじまる

白ほたる豆腐店

大豆をつぶす

朝6時にお伺いすると、すでに友実さんは作業を開始しています。ご主人は畑の作業を行っているとのこと。お邪魔にならぬよう、豆腐づくりを観察します。

前もって水に浸けておいた大豆(自家製大豆が中心)を砥石ですりつぶし、液体にします。この状態を「呉(ご)」というそうです。
ムラがないよう、よくかきまぜ、蒸気で蒸し煮をします。この時点で香ばしく、やさしい豆腐の香りが漂ってきます。
中を見ると泡で膨らんでいます。このままだとニガリの効きが悪くなるので、蓋の上から水をかけ、蒸気との温度差で泡を消しているそうです。お店によっては消泡剤という添加物を使用するようですが、白ほたる豆腐店では使っていません。

白ほたる豆腐店

呉をかきまぜる

白ほたる豆腐店

泡で膨らんだ呉。香ばしいにおいが漂う

白ほたる豆腐店

左のバケツに豆乳、右のバケツにおからが分離される

白ほたる豆腐店

にがりを打つ様子

呉を絞り、豆乳(絞り汁)とおから(大豆の絞りかす)に分離します。
適切な温度になった段階で、豆乳にニガリを入れ、櫂で静かにかき混ぜます(ニガリを打つ、というそうです)。
こうしてニガリを入れて時間を置き、固まった豆乳をそのまますくったものが「寄せ豆腐」、固めたものを一度崩し、木綿の布を敷いた型箱に流し込み、その上から重石をすることで水分を切って作るものが「木綿豆腐」です。

白ほたる豆腐店

木綿豆腐は木綿を敷いた型箱へ再度入れる

白ほたる豆腐店

できたてふわふわの寄せ豆腐

白ほたる豆腐店

固まった木綿豆腐をカット後、容器に入れシール貼り

豊富な大豆製品や自然派メニューの提案も

こうしてできたお豆腐が、朝10時には工場併設のショップに並びます。
開店と同時に早速お客様が! 別荘地軽井沢ということもあり、県外からのお客様でした。さすが人気の避暑地。夏期には多くの観光客が来店するそうです。

白ほたる豆腐店

早速県外からのお客さんが来店

白ほたる豆腐店では、木綿豆腐・寄せ豆腐(黒ごま味あり)の他にも、油揚げ・厚揚げ・がんも・豆乳・おから等も販売しています。さらに、今年4月にオープンした、「軽井沢町農産物等直売所発地市庭」内に出店する「白ほたるキッチン」では、豆腐スムージーやおからドーナツ等、"豆腐屋がつくるヘルシー穀菜食の食事処"をキャッチフレーズとして、工夫あふれるバリエーション豊かな豆腐商品を販売しているんです。

白ほたる豆腐店

ヘルシースイーツも人気の「白ほたるキッチン」

ご縁と口コミに支えられて繁盛店に

白ほたる豆腐店

森さんご夫婦にお話を伺いました。
もともと県外出身のお二人。自然に囲まれた暮らしに憧れ、軽井沢へ移住した後もしばらく会社勤めをしていたそうです。そこでの友実さんの仕事はウェブ制作関連のお仕事。黙々と集中し仕事をするのも楽しかったとのことですが、次第に、「せっかく軽井沢に住んでいるんだから、朝早く起きて、体を動かす仕事がしたい!」との思いが募っていったそうです。ご縁があり、後継者を探していた豆腐づくりの師匠に出会ったことがきっかけで、豆腐屋の開業を志すこととなりました。

しかし、縁もゆかりも薄い土地でお店を開くのは、立地・集客等さまざまな点で不安が絶えなかったとのこと。様々なご苦労もあったかと思いますが、いざ開店してみると、地元の方や観光客の口コミの効果でリピーターが続出。今では有名宿泊施設でも使われるようになっています。

食べると元気になれる、やさしいお豆腐です

「地元でとれた素材の味を大切に、昔ながらのつくり方にこだわっていきたい」と話すのはご主人の雄大さん。一方、奥さんの友実さんは、「豆腐づくりは奥が深い。日々試行錯誤をしながら、研究と工夫を行っています」と話します。

白ほたる豆腐店

無農薬・無化学肥料での大豆栽培にも取り組む

軽井沢という土地への縁を大切に、原材料の大豆やお水など、地元の素材にこだわり、おいしく品質の良いものを追究し、丁寧につくり続けていくーー。
豆腐づくりには、つくり手の性格や気分が反映されるとのことですが、お二人の豆腐は、心のこもった優しい味でした。通信販売も行っていますので、ぜひご賞味ください。

白ほたる豆腐店
長野県北佐久郡軽井沢町発地1712
TEL/FAX:0267-41-0245
営業時間:10:00〜17:00
     12〜3月は11:00〜16:00
定休日:月・木曜日
※注文はお店に直接、またはHPにFAX注文書・Web注文フォームあり

この記事を書いた人

グァルネリ

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